研究課題/領域番号 |
15K13044
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
大木 裕子 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (80350685)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | クリエイティビティ |
研究実績の概要 |
音楽も料理も、スコアやレシピがあるからといって、同じものが作れるという保証はなく、そこに介在する演奏家や料理人の技術と創造によって出来上がる製品も異なるが、特に大規模な組織が必要とされるオーケストラやレストランでは、シェフの存在によって出来栄えと評価が大きく左右される。オーケストラの評価については未だ世界的評価基準がないが、レストランの評価としては仏発のミシュラン、米発のザガットなど専門的機関による評価が一般化している。そこで、本研究では評価基準が既に存在する料理界をモデルに、音楽界も含めた「シェフ」と呼ばれる職業を研究対象とし、キャリアとクリエイティビティの形成について探求しながら、最終的にはシェフのクリエイティビティが産業の発展にもたらす影響について明らかにすることを目的として研究を進めてきた。本年度の研究実績は、以下の4点に概観することができる。 1、広範な資料を収集し、シェフと呼ばれる職業について、昨年に引き続きシェフに必要な技術と能力の体系化を進展させた。 2、具体的な事例を把握するために、京都の料理店及び料理人、パリと東京それぞれの都市の料理店及び料理人、芸術関連分野の指揮者、プロデューサーなど、シェフと呼ばれる職業人及び関連の経営陣を対象として、視察及び詳細なヒアリング調査を実施した。 3、総合芸術プロデューサーとして知られる魯山人に関する研究を進め、組織体制による分業での制作活動について探究すると共に、シェフと呼ばれる職業の素養を抽出することに努めた。 4、シェフのクリエイティビティに関する定量調査のために、調査票に記載する項目の精査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
丁寧な個別の定性調査の必要性が生じたため、定性調査に時間をかけているため。
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今後の研究の推進方策 |
完成年度にあたるため、シェフと組織のダイナミズムの解明につながる研究成果を得られるように研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度の調査旅費にまわすため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度のアメリカでの調査(9月)に使用する予定である。
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