研究課題/領域番号 |
15K13051
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
北浦 康嗣 法政大学, 社会学部, 准教授 (90565300)
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研究分担者 |
水島 宏明 法政大学, 社会学部, 教授 (10633589) [辞退]
諸上 茂光 法政大学, 社会学部, 准教授 (60422200)
宇野 斉 法政大学, 社会学部, 教授 (70262491)
荻谷 光晴 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 助教 (00509086)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 知覚リスク / 広告効果 |
研究実績の概要 |
セルフメディケーション推奨の政策に伴い,OTC 医薬品市場は今後継続的な成長が見込まれる中,OTC医薬品市場は消費者が抱える知覚リスクに十分に対応したマーケティング戦略が必要となる。その一方で,海外の先行事例を見ても,マスメディア等で形成された世論の影響も消費者がリスク評価を行う際の背景文脈として無視することはできないことがわかる。そこで,まず,多岐にわたるOTC 医薬品を,知覚リスクの発生因を基にいくつかに分類し,それぞれのセグメントにおいて,消費者の意思決定過程の特徴を分析する。その上で各セグメントに合致した説得コミュニケーションモデルを構築する。さらに,モデルに基づいた仮想TVCM を用いた認知心理実験を行い,このモデルの妥当性を検証する。 平成27年度は,大きく2つに分けて研究を開始した。1つは,「知覚リスクに基づく説得コミュニケーションモデルのフレームワークの構築」である。これは,分担者である諸上が中心となって行った。医薬品市場のなかでも,とくにOTC医薬品の特殊性に注目して,社会的リスクと心理的リスクに分類することで,医薬品購入に関する行動をモデル化することにした。その結果,「消費者が症状別に知覚するリスクの特性に対応したOTC医薬品広告の考察」と題して,論文を作成した。この成果は,2015年9月2日,3日に開催された日本経営システム学会にて報告した。そこでのコメントを生かして,現在,調査対象を広げて,アンケートを行っている。 もう1つは,「アンケート調査による説得コミュニケーションモデルの特定化」である。上記のコメントを生かして,アンケートの対象者を1,200人に増やして行った。この結果は,次年度以降,モデルの精緻化のために活用する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「知覚リスクに基づく説得コミュニケーションモデルのフレームワークの構築」についてモデル化することに成功した。その結果は,「消費者が症状別に知覚するリスクの特性に対応したOTC医薬品広告の考察」と題して,論文を作成し,2015年9月2日,3日に開催された日本経営システム学会にて報告した。そこでのコメントを生かして,現在,調査対象を広げて,アンケートを行っている。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は,大きく2つに分けて研究を開始したが,「知覚リスクに基づく説得コミュニケーションモデルのフレームワークの構築」および「アンケート調査による説得コミュニケーションモデルの特定化」ともに,おおむね順調に進んでいる。 今後は,とくに,「シミュレーションにもとづく説得コミュニケーションモデルの基礎的分析」について,広告効果に関するシミュレーションを行うことに重点を置く。シミュレーションを様々な条件で繰り返すことによって,その行動に影響を及ぼす要因・条件を整理する。
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次年度使用額が生じた理由 |
主に,国際学会への参加に計上していた費用が,参加できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は,国際学会への参加を予定しているため,その費用とする。
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