研究実績の概要 |
平成29年度は,6月に平成28年度に行った消費者対象の質問票調査のデータを基に論文を執筆し,アイスランドのレイキャビクで開催された国際会議International Product Development and Management Conference (IPDMC)で報告した。 この論文では,高齢消費者の特性と言われる社会情動的選択性(Socioemotional Selectivity),変化回避性(Change Aversion),健康志向(Health consciousness)の3要因が機能的便益・情緒的便益に与える影響とその帰結としてのウェアラブル端末の購買意向との関係を検討した。その結果,高齢消費者の特性は情緒的便益に与える影響が強いことが明らかになった。 この調査では,比較対象として,若い世代(20-30代)からも同じ質問項目でデータを収集し,同じモデルを適用した結果,類似の結果は認められなかった。そのため,これらの特徴は高齢消費者に特有であることが明らかになった。
さらに平成30年3月には20代~70代の全国の消費者1,200名を対象に質問票調査の実査を行い,利己的・利他的動機のいずれがウェアラブル端末の導入に強く影響するのかを分析した。今年度はウェアラブル端末と電気自動車という2つの革新的製品を対象に調査を行い,比較分析を行っている。本論文は国際会議に投稿し,採択された。現在,ジャーナル投稿に向けてフルペーパーを執筆中である。
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