本研究は、科研費基盤(B)(課題番号:17H02578)と連動して、消費者が様々な場面で選好を形成しながら購買に至る様子を計測して、選好の形成に影響する要因等を検討することを目的としている。俗にオムニチャネルと呼ばれる、ブランド経験を各チャネルで統一的に形成するための試みが成功するためには、消費者の選好が徐々に変化しながら各チャネルが役割を果たしつつ連動する必要がある。 今回の研究では当初の1年間で従来行っていた各企業へのヒアリングをまとめて、ある種の結論を得た。その結果は、高島屋を事例とした事例研究となっている。 2年目以降は、選好が形成される状況をPCとスマホで店舗への出向前と出向時でどの様に変化するのかについて計測するシステムを構築することを目指していたが、システムのhtml5化にかなりの時間を要したので、研究期間を延長して4年目に実証実験を行うこととした。 2年目に改修したシステムの作動については問題無かったが、実際の実験を行う際に不足する機能があることがわかり、急遽改修を行ったため実証実験の時期が遅くなってしまった。最終的に実証実験はチョコレートとテレビの購買を前提としてそれぞれコンビニエンスストア、家電量販店に出向するフィールドを使った実験を実施した。被験者はそれぞれ40名であったがデータが取得できることは確認され、実験の実施における新たな問題点も出てきたので、引き続きシステムを改修することを検討している。 このデータの分析を6月までに終えて学会での研究発表を行う予定である。
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