本研究の目的は、脱税を防止・発見する税務調査の戦略的フレーム・ワーク理論を構築し,実験によってこの妥当性を検証することである。本研究では、タックス・コンプライアンスについて取り上げる既存研究で示される2つの理論モデルに加えて、これまでその効果が実証されてこなかった理論モデルを新たに2つ取り上げ、これらの納税スキームの有効性を実証実験によって明らかにする。 本研究の実証実験の結果、Cut-off(一定基準以上の申告所得額の場合は調査対象としない)は最も高い税収入を得ることが示された。また被験者グループの内、1人が調査者となるスキームでは理論予測を超えて、高い税収入を獲得する可能性が示された。
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