• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

長期財務データによる資本市場行政と会計政策に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K13060
研究機関早稲田大学

研究代表者

薄井 彰  早稲田大学, 商学学術院, 教授 (90193870)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード会計学
研究実績の概要

平成27年度では、複数の商用財務諸表データベースを統合した研究データベースを構築した。1950年代の戦後のデータは、最近のデータに比較して、データの精度が低く、実証研究を困難にさせている。データベースの信頼性向上のため、商用財務諸表データベースのクロスチェックおよび有価証券報告書等の原データと照合を行い、研究用データベースの構築を実施した。戦前の統制経済下で会計制度はどのように設計、維持されてきたかについては十分な研究の蓄積がない。1930年代の商工省の産業合理化行政と会計政策(商工省財務諸表準則、計理士制度など)、大蔵省の会社経理統制、1930年代後半からの陸軍と海軍の原価計算政策に関して、統制経済と会計政策の関連性を明らかにした。黒澤清、太田哲三、中西寅雄らの会計学者たちは業種別、企業別に原価計算基準を作成した。上野道輔、黒澤清、岩田巌、太田哲三、中西寅雄、岩田巌らは「企業会計原則」の開発などを行い、第2次世界大戦後の会計制度設計においても指導的な役割を果たした。さらに、ャウプ勧告と会計プロフェッションの関係を明らかにした。従来、シャウプ勧告は、税法との関係で論じられてきたが、会計基準設定機関の設立にはシャウプ勧告が大きな支援となっており、また、シャウプ勧告は当時の会計プロフェッションの欠如を指摘し、公認会計士制度など、会計プロフェッションの醸成の契機となったことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1950年代以降の会計政策と資本市場の価格形成に関して、大規模なサンプルに基づいて、その関連性を検証し、研究図書を取り纏めることができた。

今後の研究の推進方策

戦後日本の会計制度創設時の会計政策に関する合意形成について論文を完成させる。さらに、資本市場としての会計政策に焦点をあて、歴史的アプローチをといれた挑戦的・萌芽的実証研究を進める。また、本研究の成果をふまえ、会計制度に関する啓蒙的な活動を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 企業会計基準法の審議過程と会計基準設定機関の設定2015

    • 著者名/発表者名
      薄井 彰
    • 学会等名
      日本会計史学会
    • 発表場所
      大阪経済大学(大阪府大阪市)
    • 年月日
      2015-10-25
  • [図書] 会計制度の経済分析2015

    • 著者名/発表者名
      薄井 彰
    • 総ページ数
      856
    • 出版者
      中央経済社

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi