研究課題名「実験.数理モデルによる理論社会学の刷新」,本研究では理論モデル(数学的なトイモデル)と実証研究(統計モデルによるデータとの対応)の接合を目指し,ベイズ統計モデリングを利用した,理論研究の刷新を目指した. この結果,代表者が独自に定式化した所得分布の生成モデルをベイズモデル化することに成功して,実データによるモデル内パラメータの推定を実施した.また教育達成の不平等を説明するモデルである相対リスク回避仮説(BGモデル)も,従来のGLMを用いた簡略形のパラメータ推定ではなく,階層ベイズを用いた理論モデルの定式化とそのパラメータ推定が進んだ.その結果従来のGLMと異なり,相対リスク回避が正しい場合には,出身階層間の進学率が理論モデルの予想通り,高階層に有利であることが判明した.
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