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2017 年度 実施状況報告書

原発避難者における新旧コミュニティの変容とサードプレイス創出の可能性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K13063
研究機関東北大学

研究代表者

松本 行真  東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (60455110)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードコミュニティ / ネットワーク / 広域避難 / 広域支援
研究実績の概要

本年度も引き続き広域自治会(さくらの会、すみれ会、郡山方部居住者会)の役員への聞き取り調査を行った。とりわけ2017年4月から富岡町内が一部地域を除き避難指示が解除されたことにより今後の「選択」がより強く求められた年度ともいえる。そうした背景もあり、これまでの役員らからの聞き取りによれば、富岡町民である「証」ともなる会員が帰町/避難先定住/未定の三通りに分かれるなかで、広域自治会としての活動上の課題や今後の展開をどのように捉え、考えているかを明らかにできた(科研費報告書(「東北都市社会学研究会」HPよりダウンロード可)。第II部・第3章)。
また、いわき市などで展開している交流サロン(泉玉露、平、四倉)、更には富岡町内に設置された町内サロンも、4月の一部地域を除いた避難指示解除を契機にその役割が変化していると考えられる。とりわけ利用者側からの存続ニーズが高いこと、帰町/避難先定住などを「選択」した後の展開を検討する必要があることを、各サロンの関係者への聞き取りから明らかになった(第II部・第4章)。
一方、富岡以外でも住民主導による借り上げ等住宅での避難者の自治会は他の双葉郡でも存在するものの、その多くは役場主導のものが多い。一方で、避難者への見守りを独自に行う目的で結成された「なみえ絆いわき会」は富岡町広域自治会の成り立ちに近い。異なる点としては、富岡町のそれが「情報交換」「親睦」を主眼としたものに対して、「(見回りを行う)社協の機能を担う」ところであり、今まで取りあげたサードプレイスとは別のかたちして注目される。本年度はその会の設立から現在までの経緯をまとめている(第II部・第5章)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究で主に対象としている富岡町住民により結成された広域自治会への質問紙調査(平成27年度実施済)回答者のなかで「個別調査可能」とした対象者への聞き取り調査を引き続き進めた。これらの聞き取りにより、定量調査ではとらえきれなかった質的な問題の抽出が可能となった。
このように広域自治会・町行政区といった新旧コミュニティへのかかわり方とそのニーズに関する変容、さらには未来会議といったサードプレイスの創出・形成過程を明らかにしつつある。

今後の研究の推進方策

これまでの成果をとりまとめた報告書の編集・刊行、今秋には刊行助成への申請を行う。

次年度使用額が生じた理由

報告書作成が次年度に延期したことと、2018年冬に予定していた出張が天候不良のために中止になったことが主な理由である。
2018年度は遅くとも9月までに報告書を完成させるとともに、一部延期していた調査を春の段階で実施することで予算を執行できるものと考える。

備考

調査報告書の本編のみダウンロード可

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 その他

すべて 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [図書] 東日本大震災と<復興>の生活記録2017

    • 著者名/発表者名
      吉原直樹・似田貝香門・松本行真編著
    • 総ページ数
      774
    • 出版者
      六花出版
    • ISBN
      978-4-86617-027-5
  • [備考] 東北都市社会学研究会HP

    • URL

      http://tohokuurban.web.fc2.com/

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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