フェアトレード生産者を組織するフィリピンでは、住民・地域組織と生活改善、社会変革といった理念をビジネスを通じて実現しようとする試みが続けられている。公正さ、社会正義、生態系保全、食や生活の安全といった一般市場では軽視されがちな価値を商品に付与することによって新しい消費者、市場の形成をめざしている。一方で一般市場での生き残りをかけた厳しい課題も抱えている。 他方、消費側である日本では消費者意識や市場の在り方、また途上国との関係を変えることを目指しつつ、地域復興、環境保全、有機農業等の連携を図りながら取り組んでいる。フェアトレードタウン運動は、行政をも巻き込む新しい取り組みである。
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