本年は完成年度として、海外調査・海外と国内での学会発表を含めて精力的に研究を進めた。具体的な調査場所・イベントとしては、エアーメモリアルinかのや2017(鹿児島県)、岩国フレンドシップデー2017(山口県)、第56回静岡ホビーショー、航空自衛隊岐阜基地、各務原航空宇宙博物館(岐阜県)、航空自衛隊観閲式(茨城県)、美ら島エアーフェスタ2017(沖縄県)、グアム太平洋戦争国立歴史博物館、グアム国立歴史公園内戦跡を調査した。航空自衛隊観閲式は、荒天のために当日直前での中止となってしまったため、代わりに戦車が登場するアニメ『ガールズ&パンツァー』の「聖地」として近年大変人気のある大洗町を調査した。 成果発表としては、初年度より毎月継続している大月書店メールマガジンにおけるエッセイ『愛妹通信--自衛隊広報レポート』を2018年3月まで執筆、2017年6月24ー26日開催のAAS-in-ASIA 2017 ‘Beyond Borders and Boundaries’(@高麗大学校、韓国)におけるパネルNo.135 ‘Politicizing Popular Culture: Analyzing the Cultural Politics in Contemporary East Asia’ にて ‘Military-Industrial Complex in ‘Moe’ Animation’ というタイトルで発表、2017年11月10ー12日開催の唯物論研究会第40回総会・研究大会にて「消費ナショナリズム論序説――自衛隊広報の受容から」というタイトルで発表を行った。 自衛隊の広報施設、広報イベントの実態を実際に現地に赴いて調査した研究は存在せず、軍事組織がどのように娯楽性を伴いながら存在や意義を一般に周知しているかを分析・考察した点で非常に独創的かつ重要な研究であったと考える。
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