研究課題/領域番号 |
15K13081
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
松田 ヒロ子 神戸学院大学, 現代社会学部, 准教授 (90708489)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 先行研究 / 国内研究者交流 / 基礎資料収集 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、冷戦期(1945-1989年)の日本において市民社会がいかに国防を支えてきたのか明らかにし、自衛隊基地や防衛産業によって人びとの生活がどのように変容してきたのか検討することである。 平成27年度は、まず軍事と地域社会の関係を検討した歴史学、社会学、文化人類学領域の先行研究(英語と日本語)を収集し購読した。8月末から9月初めにかけて、約2週間北海道札幌市内に滞在し、現地の研究者と研究に関する情報交換をしたり、大学や公共図書館を廻って文献の所在を確認できた。今後の研究の方針や具体的な調査方法について再検討する上で有意義だった。 また国立国会図書館の本館と関西館で、自衛隊の機関誌的な性格ももつ『朝雲』新聞を、創刊号から1973年発行分まで原紙とマイクロフィルムで通読し、今後の研究に必要と思われる記事を複写した。これによって自衛隊創設時から1970年代初頭までの自衛隊の動きや自衛隊をめぐる言説を跡づけることができた。 さらに沖縄平和祈念資料館や北海道旭川市にある北鎮記念館、北海道各地にある開拓記念館を訪問し、地域社会と軍隊/自衛隊の関係が博物館や記念館でどのように表象され展示されているのか比較検討した。 加えて、戦争社会学研究会など本研究課題と関連あるテーマのシンポジウムやセミナーに参加して、本研究課題と関連の深い調査研究を行ってきた研究者と情報交換や意見交換し、今後の調査研究の推進方策について貴重な知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度は本研究の課題と関連性の深い先行研究が英語と日本語で複数刊行された。それらの中には、私が当初研究課題として明らかにしようとしていた事を取り上げ、調査研究の成果を発表しているものもある。そのため、当初予定していた研究計画を修正し、先行研究を踏まえてオリジナルな研究計画を練り直す必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
本研究はもともと事例として北海道における自衛隊と地域社会の関係を特に取り上げるつもりだった。しかしながら平成27年8月に、国際的な出版社から北海道における自衛隊と地域社会の関係を歴史的に考察したモノグラフと共著書がそれぞれ一冊ずつ刊行された。それらの内容は、当初私が計画していた研究とかなり被っているため、当初の研究計画を再検討することにした。今後は、研究対象を北海道に限定せずに他地域の事例も視野にいれて当初の研究目的を達成したいと思っている。
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