本研究は、1950年代から60年代に防衛庁から刊行された文書資料や自衛隊の活動を報じた新聞や自衛隊をめぐる諸問題について論説した雑誌記事などを収集し検討することにより、創設期自衛隊と市民社会との関係の一端を明らかにすることができた。さらに、自衛隊OB組織の協力を得て、40名の元自衛官を対象にライフヒストリー調査を実施した。これまでほとんど明らかにされてこなかった、創設期自衛隊で勤務した隊員の入隊の経緯や勤務状況、生活実態、地域社会との関係、自衛隊を退職した後の仕事や生活などについての証言を得ることができた。
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