研究課題/領域番号 |
15K13091
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研究機関 | 北星学園大学 |
研究代表者 |
横山 穰 北星学園大学, 社会福祉学部, 教授 (20244676)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 盲導犬 / 盲導犬ユーザー / 迷惑・危険行為 / 社会的防止策 / 補助犬法 / 啓発・啓蒙活動 |
研究実績の概要 |
盲導犬とユーザーに対する聞き取り調査(盲導犬とユーザーに対する迷惑・危険行為の実態と社会的防止策について)を全国各地にある盲導犬協会の協力をえて実施した。2016年5月と7月には日本盲導犬訓練センター(富士宮市)、7月と9月には仙台市の日本盲導犬訓練センター、8月には島根県浜田市の日本盲導犬訓練センター、10月には栃木県宇都宮市の東日本盲導犬協会と日光市と福島県郡山市のユーザーの自宅、10月の北海道盲導犬協会、11月の東京都の日本アイメイト協会、及び関西地区の3つの盲導犬協会施設(関西盲導犬協会、兵庫盲導犬協会、日本ライトハウス)において、聞き取り調査を実施した。ユーザーは合計11名、盲導犬施設職員(指導員)は合計12名であった。迷惑・危険行為共に、道路を歩行中に他の歩行者からの迷惑・妨害行為(体当たり、進行妨害、盲導犬への不要な声掛け等)や、公共交通機関の利用時(電車やバス利用)の物理的障害(階段やステップ、看板、点字ブロックの不備等のバリアー等)の存在、盲導犬の役割はじめ補助犬法に関する無理解や車の運転者による危険行為の実態が明らかになった。また、補助犬法の啓発・普及により近年減少傾向にあるとはいえ入店拒否や宿泊拒否の実態も明らかとなった。また、交差点にある信号機の音声案内が少ないことや、あっても十分に機能いていない(夜間や早朝の時間帯の停止等)実態も明らかとなった。社会的防止策としては、盲導犬やユーザーに関する啓発・啓蒙活動の一層の推進はじめ、社会的バリアー(地下鉄やJR・私鉄のホームドアの設置はじめ、点字ブロックの整備、駅員による補助の充実等)の解消に向けての社会資本の充実が今後とも一層求められる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
精力的かつ集中的にフィールド調査を全国各地で実施することができ、十分な調査データを収集することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、アメリカにおけるフィールド調査を10月に実施する予定であり、司法的な調査アプローチを試みることから盲導犬のユーザーに関する人権問題に精通している弁護士等の司法関係者へのインタビューを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度の繰越額が多く存在したために、平成28年度においても残額が生じる結果となった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度においては海外(アメリカを予定)におけるフィールド調査はじめ、国内においても平成27・28年度に続いてフィールド調査を継続して実施する予定であることから、謝金および旅費に充当することになる。
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