研究課題/領域番号 |
15K13094
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研究機関 | 日本社会事業大学 |
研究代表者 |
木戸 宜子 日本社会事業大学, その他の研究科, 准教授 (80386292)
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研究分担者 |
柴田 有記 (大賀有記) 愛知県立大学, 公私立大学の部局等, 講師 (30708748)
福山 和女 ルーテル学院大学, 総合人間学部, 教授 (20257083)
小原 眞知子 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (50330791)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ソーシャルワーク / スーパービジョン / 予防 / 予測 / 徴候 / リスク要因 / エンパワメント |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ソーシャルワーク・スーパービジョンにおける予防・予測的機能の必要性、適用性を明らかにすることである。 平成27年度はまずソーシャルワークに焦点をあて、予防についての理論・概念研究として、公衆衛生領域で用いられてきた予防概念をもとに、地域を基盤としたソーシャルワークにおける予防活動の理論的枠組みを検討した。 その上で、高齢者虐待予防のソーシャルワーク実践が行われているカナダ・ケベック州モントリオールにおいて、地域支援機関、保健福祉機関への聞き取り、フィールド調査、またソーシャルワークのスーパーバイザー3名にスーパービジョンのあり方についての個別インタビューを行った。その結果、ソーシャルワークにおける予防の考え方として、エンパワメントアプローチを基盤としており、予防実践としては、地域を基盤に介入・支援からフォローアップ、地域における啓発・教育へとつながる実践展開、保健福祉の多職種による支援体制など総合的なシステムを把握することができた。またソーシャルワークの予防的方法論としては、顕在化した虐待事象を把握するだけではなく、その徴候やリスク要因にも注目したアセスメントの活用性について検討することができた。 ソーシャルワークが対象とするような社会問題は、放置すれば社会にも大きく影響を及ぼしうるが、その原因や要因の特定が困難であり、複雑化していることが多い。そのため、予防実践システムおよび方法論の両側面からソーシャルワークの予防・予測的機能を捉えていく必要性が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先行研究、文献レビューについてはまだ不足している点があるが、モントリオールにおけるフィールド調査により実践モデルを把握することができ、本研究を前進させることができた。
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今後の研究の推進方策 |
モントリオールで行った、スーパーバイザー3名の個別インタビュー結果の分析を進め、ソーシャルワーク・スーパービジョンにおける予防・予測的機能の要素を明らかにする。その結果を研究者間で共有し、国内でのスーパーバイザーを対象としたインタビュー調査の計画、実施を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では、物品費としてコンピュータを購入する予定であったが、研究代表者が長期海外出張になり、購入時期を逃してしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
H28年度早々にコンピュータを購入し、調査結果の分析等に活用する。
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