研究課題/領域番号 |
15K13095
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
高田 明子 武蔵野大学, 人間科学部, 准教授 (60649599)
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研究分担者 |
大島 千帆 日本社会事業大学, 社会事業研究所, 准教授 (40460282)
下垣 光 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 准教授 (30287792)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | “見えない・見えづらい”高齢者 / 地域生活支援 / アセスメントシート / 地域包括支援センター / 視覚障害高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、地域で生活する“見えない・見えづらい”高齢者支援に用いるアセスメントシートを作成することである。初年度の目的は、第一次アセスメントシート(地域の支援対象者をキャッチアップするために活用)の顕出性や適合性を検証すること、及び、第二次アセスメントシート(ニーズを詳細に把握し実際の支援へと結びつけるために活用)の作成であった。 本年度はアセスメントシートの必要性を明らかにするために、地域包括支援センター専門職への“見えない・見えづらい”高齢者支援に関する支援状況をアンケート調査結果からまとめ、支援を困難にしている要因を報告した。同様に、地域包括支援センターにおいて支援対象者のキャッチアップあるいはスクリーニングが目的の第一次アセスメントシートの作成過程と完成物を論文にして公に開示した。 第一次アセスメントシートの適合性の検証に関しては、地域でのフィールドの開拓を試みたが、調査対象である在宅の支援を受けていない“見えない・見えづらい”高齢者の存在を把握するのは困難であり、研究の進捗がやや滞っている状況である。 第二次アセスメントシートの作成に関しては、文献調査を実施し、各国(NEI-VFQ25…アメリカ、LVQOL…オーストラリア)の視覚に関するQOL調査用のアンケート項目を確認し、生活習慣や文化の違う日本の“見えない・見えづらい”高齢者に援用できるかの検討を重ねている。同時に“見えない・見えづらい”高齢者の生活全体のニーズや支援内容を確認するために、介護保険や各市町村のアセスメントシートを収集して分析・検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
地域で実際に支援に関わっていない“見えない・見えづらい”高齢者を把握するためのフィールド開拓を試みた。今まで支援を受けていない新規の“見えない・見えづらい”状況の相談者が必要であるために、関係機関との調整や対象者の抽出にも時間がかかり、当初の計画よりもやや遅れている状況である。しかし、調査対象もある程度は確保されたので、平成28年度には当初の予定を達成できる予定である。 第二次アセスメントシート作成に関しては、作業は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
第一次アセスメントシートに関しては、地域で生活する“見えない・見えづらい”高齢者の適合性の確認をひとりひとりの事例に基づいて質的に詳細に進めていく予定である。同時にアセスメントシートを活用する高齢者専門職にも使用状況に関してヒアリング調査を実施する予定である。ある程度の量的な確適合性の認も必要と考えられるので、視覚障害高齢者のための養護老人ホームを調査対象として開拓できたので実施予定である。 第二次アセスメントシートの作成に関しては、文献調査を基に分担研究者との話し合いを重ね試案を作成し、高齢者福祉専門職に対してデルファイ法により検討を求める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
第一次アセスメントシートの適合性の調査対象の抽出が遅れたこと、加えて、公務の関係で先方との調整が合わずに調査を実施することができなかったために、旅費及び謝金の使用がなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
調査対象者の抽出に関することで研究が遅れ気味であったが、対象者も確定し本年度は実施計画通りに進捗する予定である。
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