研究分担者 |
矢野 明宏 東京通信大学, 人間福祉学部, 准教授 (20337827)
渡邉 浩文 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (50383328)
大島 千帆 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (40460282)
下垣 光 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (30287792)
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研究実績の概要 |
最終年度の計画は,研究成果であるアセスメントシート(案)の項目の妥当性を検討すること,アセスメントシートを用い“見えない・見えづらい”高齢者の現状とニーズを把握することの2点である.A自治体の地域包括支援センター(全8か所)に対し,“見えない・見えづらい”高齢者5名程度への「アセスメントシート(案)」「視機能についてのアンケート(NEI VFQ-25)」「基礎データ&心配・困りごと」の面接調査を依頼した.分析対象39名の性別は男性17名(43.6%)女性22名(56.4%)で,平均年齢は80.8歳(MAX:95,MIN:66,SD:6.93)であった. 妥当性の検討に関しては,視覚に関連した健康関連QOL測定尺度であるNEI VFQ-25の下位尺度得点及び,7つの下位尺度得点の合計得点(以下,コンポ7)について,アセスメント項目の回答グループ間の平均得点に差があるかについて検討を行い,アセスメント項目(案)の項目とNEI VFQ-25の下位尺度,合計得点との関連性が確認され,アセスメントシートの項目の妥当性が示唆された. A市(人口20万・高齢化率23.6%)において当該高齢者と推測される40名が確認された.その現状は,視機能は,ロービジョン者(77.5%)が多く,眼疾は,緑内障(27.5%)網膜色素変性症(12.5%)加齢黄斑変性(12.5%)糖尿病網膜症(10.0%)が多かった.移動は「転倒・踏み外し有り」47.5%,一人で移動できる範囲「家の中」32.5%だった.日常生活は「爪切りできない」55.0%,「売場や商品を探せない」52.5%と約半数が困難を抱えていた.不安や心配は「常に」40.0%,「時々」42.5%と多くが持っていた.地域在住の“見えない・見えづらい”高齢者の状況や困難が明らかとなり,安全へのリスクや生活の不自由,心理的な不安等への支援の必要性が示唆された.
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