研究課題/領域番号 |
15K13102
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研究機関 | 成安造形大学 |
研究代表者 |
島先 京一 成安造形大学, 芸術学部, 准教授(移行) (70268085)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 知的障害者 / アール・ブリュット / 現代美術の脱構築性 / 共同によるアートワークショップ |
研究実績の概要 |
平成28年度の研究実績の概要は以下の通りである。 1) 新たな知的障害者像の探求 「障害学」、「Disability Studies Quarterly」等の内外の専門誌、並びに古今の障害学に関する文献を調査した。それには、H.プリンツホーンによる著作、M.シュタウムによる著作が含まれる。また「障害学会大会」に参加し、国内の研究者からの報告について調査した。それらには、障害者による芸術表現に関する報告も含まれていた。 2) アール・ブリュットに関する研究 知的障害者による芸術活動に積極的の取り組んでいる千葉県の「アトリエ・アウトス」並びに群馬県の「工房あかね」を訪問し調査を行った。また、大阪デザイン振興プラザにおける「福祉現場で生まれるアート展」およびシンポジウムに参加し、調査を行った。 3) 現代美術の脱構築性に関する研究 いくつかの現代美術の展覧会を調査した。それらには、「六本木クロッシング」(森美術館)、「杉本博ロストヒューマン」(東京都写真美術館)、「クリスチャン・ボルタンスキー」(東京都庭園美術館)等が含まれる。 4) 知的障害者との共同によるアートワークショップ 大津市北部サマースクール、社会福祉法人「滋賀夢翔会」、障害者余暇活動サークル「きらきら星」等と成安造形大学学生による共同のアートワークショップを数回、行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者の平成28年の1月の発病に伴う、4月から6月までの病気療養のため、予定していた調査研究の遅れが生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまで通り、以下の研究を継続する。 文献の調査及び、学会参加ならびに学会報告調査は継続する。また、国内の関連施設の訪問調査を行う。 国内外の知的障害者による芸術表現活動を保存している施設の訪問調査を行う。 現代美術展ならびに美術館の調査を継続する。 社会福祉法人との共同によるアートワークショップを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年1月に研究代表者が疾病を発病し、4月から6月まで療養生活を余儀なくされ、職場復帰後も、授業等の通常業務の復帰を優先し、海外出張等の過度な肉体的負担を伴う研究活動を自粛し、予定していた研究活動に地帯が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
国内外の障害者による芸術表現の成果を保存している施設に対する訪問調査を行う。また、2017年は、「ドクメンタ」や「ベネチア・ビエンナーレ」等の世界規模での現代美術の重要な展覧会が同時に行われる年でもあり、集中的に訪問調査を行う。 また、国内外の貴重な資料や文献の収集を行う。
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