本研究は,ライフ・ストーリー・インタビューを通して,日本以外のハンセン病当事者やハンセン病以外のHIV当事者,アルコール依存当事者にあっても,スティグマにさらされる状況にあり,それらの当事者がその状況を受け入れていく過程にどのような心理社会的要因があるのかを検証するものであった.結果として,スティグマを抱えた当事者は自己の苦悩を乗り超えて,より深い人生の意義を発見していき「生きていることの有意味感」境地に至ること,そして「生きていることの有意味感」形成過程でのナラティブのダイナミクスが明らかとなり,社会構築主義を基盤にしたソーシャルワークの枠組みの提起が検証される結果となった.
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