科学や技術という高度な知識体系は、世代から世代へと伝達されながら蓄積され、個人では到達可能なレベルへと漸進的に進化していく。本研究では、認知科学における科学的発見(scientific discovery)や協調的学習 (collaborative learning)の研究で用いられてきた課題に着目した。これらは単独個人が正解を見出すことが困難な課題であり、科学者や技術者が現実世界で直面する問題に近い。本研究では、こうした課題を用いた累積的文化進化実験を通して、科学という高度な知の体系が伝達を経て発展していくプロセスを明らかにした。
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