研究課題/領域番号 |
15K13118
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
竹村 和久 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028)
|
研究分担者 |
岩満 優美 北里大学, 医療系研究科, 教授 (00303769)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 社会的認知 / 描画 / 画像解析 / 空間的表現 / 面接法 |
研究実績の概要 |
本研究は、イメージや価値の空間的表現や描画を統一的に分析することが可能な社会的認知測定法を開発することによって、評定尺度法や描画法や言語プロトコル法を補完するような形で、対人関係や社会的事象に関する社会的認知測定の方法論を確立することを目的とした。また、本研究では、空間的に表現された定性的データを、統計的画像解析手法であるテクスチャー解析、特異値分解、ウェーブレット解析、フーリエ解析などのさまざま手法を適用し、さらに、空間統計学のいくつかの手法をもとに、解析法を検討して、従来の描画法、質問紙法、面接法との対応関係も明らかにして、臨床への応用や社会問題の社会認知に関する知見を得ることを目指した。本研究では、一般成人、精神疾患患者を対象にして、空間表現法と描画法でのデータを、スキャナーを用いて計算機画像として取り込み、画像をいくつかに分割して、画像情報に特異値分解などの統計解析を実施する方法を開発した。分析法の開発は主として竹村が行った。特異値分析では,描画の集合を画像の各ピクセルの濃度値(0:白から255:黒)を要素とする行列と見なして特異値分解の手法を適用することを試みる。行が「画像データにおけるピクセルの位置(以下描画座標と記述する)」に対応し、列が「対象者の描いた描画」に対応する行列を作成し、特異値分解を行った。開発した空間的表現による測定法、描画や言語プロトコルの統合的取り扱い行い、画像や言語プロトコルの計量的特徴(玉利・竹村,2012)との関係から数理的解析を行い対応付けの分析を行い、最後に総合評価を行った。具体的には、研究分担者の岩満や同僚の臨床心理学者、精神医学者との共同の研究を行い、総合討論を行った。研究の成果は、学会、学術誌に発表している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
方法論の研究は、順調に行われている。また、調査は国内のほうでは順調に進んでいるが、海外の調査については、海外の共同研究者の退職や転出などに伴ってやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
空間的表現についてのさらなる統計的方法を開発し、国内での面接調査を実施し、海外での面接調査をすすめるようにする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
調査の実施が計画どおり進まずにその分の旅費や資料作成、論文校閲などがなくそのために次年度使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
本年度は、追加的調査を実施し、そのための費用を使用し、またその成果を海外の学術誌に投稿し、そのための論文校閲料や資料作成費を用いる。
|