研究課題/領域番号 |
15K13121
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
秋沢 伸哉 立命館大学, 経営管理研究科, 教授 (50441142)
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研究分担者 |
佐藤 達哉 立命館大学, 文学部, 教授 (90215806)
角田 圭雄 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10636971)
近藤 正樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20315964)
肥塚 浩 立命館大学, 経営学部, 教授 (40243414)
三好 秀和 立命館大学, 経営管理研究科, 教授 (20454514)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 医療交渉学 / 視線行動 / 患者の満足度 / 顧客満足度 |
研究実績の概要 |
医療事故報告件数は毎年更新し続け、ついに3,500件を超える最多の3,654件となった。医療事故調査制度開始に伴い、医師の9割が刑事罰に不安であると回答する。医師の心理的萎縮や訴訟による対立は、患者のためにも医師のためにも日本の医学・医療のためにもならない。患者と医師間の良好な関係構築のためには、新しい問題解決システムが求められている。患者と医師間での診察時の会話「医療交渉」において、患者の満足度を高める医療交渉手法の構築は、医療事故が紛争化する医療界において喫緊の課題である。本研究は、医師のジェンダーの要素を加味しつつ、対面角度と話題順序による患者の視線行動と脳活動を解析、検討することにより、患者の満足度を高める新しい医療交渉手法を開発、提案することを目的とする。今年度は、医療交渉における患者と医師との対面角度と診療の会話内容について、患者への心理的影響と患者の満足度の評価を目的として、視線行動を分析・解析した。特に医師役に対する患者役対象者の心理的影響と満足度を視線行動から示唆を得た。実験参加者の現実感を向上させるため、実際のクリニックを2日間借用した。調査手法は視線測定による行動評価であり、メガネ型視線計測装置を装着した。2種類の異なる診療シナリオを各1回遂行した。実験参加者の現実感のため医療機関に通院歴のない方、医療機関、医療従事者が嫌いな方などは除外した。医師役を女性とし、患者役には、日程ごとに対面角度を2種類設置、2種類の診療シナリオにて、女性8名、男性4名の計12名のデータを収集した。実査後個別にインタビューした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
5月、6月に仮実験を遂行、12月にクリニックでの脳科学実験を遂行し、その解析・分析を踏まえて翌年3月に成果発表シンポジウムを開催した。研究代表者にとって初めての大型研究プロジェクトの総括であったが、研究分担者、研究協力者はじめ関係各位の多大なご尽力に常に支えられてきた。心より感謝申し上げる。おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
次回の脳科学実験では、特に以下の3点を強化していく。計画通り、医師役のジェンダーの要素を加味していく。診療シナリオのさらなる適正化を図る。実験参加者の増員を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
仮実験を行い、結果の解析・分析をした結果、今年度実験で見えてくる課題を次年度以降の実験に予算を使用するよう全体の計画を変更したためである。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度実験では、医師役のジェンダーの要素を加味すること、診療シナリオの最適化を図ること、実験参加者の増員を図ることを計画する。
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