親への反抗行動,衝動行動など思春期行動の発現機序について,生物学的観点から検討したところ,1)胎児期のテストステロン暴露量は発育タイミングにより攻撃性発現へ異なる影響をもつこと,2)幼少時期のネガティブな経験が思春期の心理的側面に多少とも影響していたこと,3)大学生の後方視的データにより,思春期の生物学的発育,反抗行動,衝動行動などを時系列的に認識していたこと,4)生物学的発生基盤をもつネガティブな切迫性,刺激欲求が,自傷欲求,リスクテーキング行動欲求の発現に対して男女で異なる影響をもつことが明らかにされ,思春期行動に対する生物学的要因の関与が心理学的手法により示唆された。
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