研究課題/領域番号 |
15K13134
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
根ケ山 光一 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00112003)
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研究分担者 |
百瀬 桂子 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (60247210)
石島 このみ 早稲田大学, 人間科学学術院, その他(招聘研究員) (70735117)
外山 紀子 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80328038)
河原 紀子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (90367087)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 抱き行動 / 母親 / 乳児 / 抱きにくさ / 父親 / 学生 / モーションキャプチャ / 発達検査 |
研究実績の概要 |
10組の母子に対して,それぞれの家庭を訪問して生後1.5か月,3か月,5か月,7か月の4時点でビデオによる乳児の抱き上げ・抱き下ろしの行動観察・モーションキャプチャによる行動解析と,発達検査と質問紙による抱きの実態や態度の調査を行った。また父親,女子学生による抱き上げも行い,その結果を母親との間で比較した。 まず抱き行動パターンについては大きな月齢差が見られた。幼い月齢時での抱きは母親が両手で子どもをくるむような抱き方をしていたが,5か月以上になると片手で子どもの尻の下を支え,もう一方の手で背中や脇の下を支える抱き方が主流となった。それに比べると父親の場合は両手で子どもをすくい上げるような抱き上げ方が顕著であったが,女子学生の抱き行動には大きな特徴はなかった。 抱き上げは月齢とともにだんだん所要時間が減少したが,5,7か月ではその値は平均3.5秒前後で近似していた。父親の所要時間は母親と差がなく,一方女子学生の場合はそれらよりも大幅に時間を所要していた。 モーションキャプチャの分析からは,抱き上げ時の母子の接近速度(母の手と子の重心の距離の変化)が月齢に伴い増加する傾向が見られた。また母の腰の高さの変化から、抱き上げに要した時間を算出したところ、1.5か月から5か月にかけて短縮しており、1.5と3か月では経産婦の時間長が短かった。 質問紙で尋ねた「最近一週間での抱きにくさ」の値とさまざまな抱き指標の数値との相関を調べたところ,3か月は子どもの行動との相関が有意であったのに対し,5か月では母親自身の感情項目との間での相関が有意であり,抱きにくさが外因から内因に変化することが明らかになった。また発達検査(デンバーⅡ)からは首の座りが抱き上げの迅速化に関係することが示唆された。
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