本研究の目的は、乳児院で暮らす最早期の子どもの愛着発達を縦断的観察から明らかにすることであった。異なる地域の3乳児院のいずれかに、生後1ヶ月までに入所した乳児10名を対象とした。毎月縦断的に愛着行動発達をチェックリストで確認した。次に、歩行移動が無理なく行えるようになってから18か月までの間に、ストレンジシチュエーション法(SSP)による愛着パターンを測定した。その結果、愛着発達は4ヶ月時にわずかに停滞するも、その後は家庭児と同様の発達過程が認められ、愛着パターンも安定型が多く見られることがわかった。これらの成果を乳児院の職員に対するコンサルテーションに活用するために、リーフレットを作成した。
|