研究課題/領域番号 |
15K13139
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高橋 史 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (80608026)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 認知行動療法 / 実態調査 / 医療 / 精神科 / 心療内科 |
研究実績の概要 |
本研究は,わが国の精神医療における認知行動療法の提供状況および提供の阻害要因を明らかにすることを目的としている。平成27年度は,調査項目の決定および調査対象機関リストの作成を行った。
調査項目は,申請者がこれまでに実施した同様の研究において使用した調査項目を参考に素案を作成した。素案は,信州大学医学部附属病院に勤務する臨床心理士4名によって検討され,項目表現の修正や選択肢の追加・削除,質問項目の追加・削除が行われた。また,医療心理学を専門とする大学教員1名の助言を受け,調査項目の最終決定を行った。
調査対象機関リストの作成にあたっては,国内各地方における厚生局のホームページから登録医療機関リストをダウンロードし,連絡先,標榜する診療科,病床数などを含む都道府県別の医療機関データベースを作成した。また,本研究は精神医療における認知行動療法提供の実態を明らかにすることを目的としているため,医療機関データベースの中から精神科,心療内科,およびそれに類する診療科を標榜している医療機関のみを抽出し,これをもって本研究の調査対象機関リストとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
できるだけ多くの回答を得るために郵送費を削減することができず,人件費を大幅に削減した結果,少数の研究ボランティアによって研究作業を進めることとなり,調査用紙を郵送する段階にまで到達することができなかった。しかしながら,調査対象機関リストの作成および調査項目の決定には至っており,着実に作業は進んでいるといえる。当初の予定よりもやや遅れてはいるものの,研究期間中に調査結果をまとめることは十分に可能なペースである。
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今後の研究の推進方策 |
調査対象機関リストから調査用紙の郵送先を無作為抽出し,調査用紙を郵送する。議論の拡散を避けるため,本研究では,医院および診療所は調査対象から外し,全都道府県の病院を対象とした実態調査を行うこととする。本研究を通して作成された医療機関データベースは,今後,精神科等を含む医院および診療所,または精神医療以外の診療科を対象とした各種調査を迅速に進めるための有用な基礎資料となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
「物品費」については,平成27年度に予定していた調査の実施にまで至らず,封筒等を含む事務用品の購入数が少なくなったため,平成28年度の調査実施費用として運用するのが適切であると判断した。「旅費」については,平成27年度に予定していた調査の成果発表にまで至らなかったため,平成28年度の成果発表のための旅費として運用するのが適切であると判断した。「人件費・謝金」については,平成27年度は調査対象機関による回答等の重要情報ではなく一般公開されている医療機関データの整理が主であったため,研究ボランティアの募集によって人件費・謝金の支出を削減した。「その他」の大部分を占めるのは調査対象機関への調査用紙の郵送費である。平成27年度に予定していた調査の実施にまで至らなかったため,平成28年度の調査実施費用として運用するのが適切であると判断した。
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次年度使用額の使用計画 |
「物品費」については,平成28年度の調査実施費用として,封筒等を含む事務用品の購入に充てる。「旅費」については,当初予定していた資料収集のための出張は行わず,研究成果発表に極力絞り込むこととして,国内外の学会出張に充てる。「人件費・謝金」については,平成28年度は調査対象機関による回答等の重要情報を取り扱うこととなるため,十分な人数の作業者を雇用するための費用に充てる。「その他」については,平成28年度に実施する調査実施のための中核的な資金となる。調査回答総数の多さが調査結果の質に直結することから,郵送費を最優先とする。いずれも,平成28年度請求額とあわせて使用する。
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