研究課題/領域番号 |
15K13140
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
井上 淳 浜松医科大学, 医学部附属病院, 臨床心理士 (90535577)
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研究分担者 |
大隅 香苗 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (00588767)
岩田 泰秀 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (10285025) [辞退]
望月 洋介 浜松医科大学, 医学部附属病院, 臨床心理士 (30568572)
松尾 香弥子 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (70399509)
竹林 淳和 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50397428)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | PTSD / EMDR |
研究実績の概要 |
心的外傷後ストレス障害は、普通では体験することのない稀な出来事への曝露によって生じる障害で、過覚醒、類似の出来事からの回避、フラッシュバックに特徴づけられる症状を示す。これまでの研究によれば、外傷体験を被ることで、脳機能や脳の形態が変化することが知られている。具体的には、海馬容積の減少、扁桃体と島の過剰な活性化、前頭前皮質内側部や前帯状回皮質の機能不全などが認められることが明らかになっている。本研究の目的は、心的外傷後ストレス障害の病態の解明、および眼球運動による脱感作と再処理療法が心的外傷後ストレス障害により変化を被った脳機能や脳の形態に改善をもたらすかどうかについて、機能的磁気共鳴画像(fMRI)および構造的MRIを用いて検討を行うことである。本年度は、前年度に作成したfMRIの課題(安静時、歯磨き体験を想起する課題、外傷体験を想起する課題)を用い、撮像を継続した。前年度に引き続き、被験者のリクルートを行い、安全性を十分に考慮した上で、PTSD患者4名に対して、治療前の症状評価およびfMRIを施行した。加えて、対照群4名に対して患者群と同様の課題を用いて、fMRIを施行した。現在データ収集を継続しており、結論が得られているとは言えないが、外傷体験を想起中に、再体験の傾向が見られるか、解離の傾向が見られるかによって、脳活動に違いが見られることが示唆されている。今後さらに、リクルートおよび治療を継続する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
人事異動のために一時的にfMRIの施行が困難となったが、その後、体制を整えることができ、患者のリクルートが進み、治療への進展しているため
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今後の研究の推進方策 |
今後、さらに患者群、対照群をリクルートし、被験者の増加を図っていく。課題として、重度の解離を伴う患者については、治療を10~15回の回数で終えることが困難である。このため、被験者の選別には慎重を要する。
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次年度使用額が生じた理由 |
一時的にfMRIを施行できない状況が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
被験者への謝金、データ収集・解析のための実験補助の謝金、およびデータの管理と保存、解析にノートパソコン及び統計ソフトの購入などを予定している。
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