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2016 年度 実施状況報告書

IPV関係の終結・継続の意思決定の研究-インベストメント・モデルの検証-

研究課題

研究課題/領域番号 15K13146
研究機関武蔵野大学

研究代表者

藤森 和美  武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (20409379)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード親密なパートナーからの暴力 / インベストメント・モデル / 面前DV / きょうだい間暴力
研究実績の概要

「親密なパートナーからの暴力(IPV)関係の終結・継続の意思決定の研究ーインベストメントモデルの検証」のうち、本年度での研究実績は以下の通りである。
1.IPV被害者に対するインベストメントモデルの検証:IMS日本語版をもとに、日本で初めて、160名のIPV女性被害者を対象としてインベストメント・モデルを検証した。その結果、インベストメント・モデルの想定する仮説は支持された。さらに、IPV関係が継続している44名のIPV女性被害者を対象として、IPV関係終結・継続の意図を含めて検証した結果、インベストメント・モデルの想定する仮説が支持されるとともに、関係へのコミットメントが関係終結・継続の意図に影響を与えることが示唆された。
2.児童精神科クリニックにおける両親間でIPV関係がある患児に対するカルテ調査:2か所のクリニックで1168名(Aクリニック)、305名(Bクリニック)を対象としてカルテ調査を実施したところ、それぞれ6.4%、13.1%の患児がIPV目撃にさらされており、それらの患児すべてが、何らかの精神疾患の症状を呈していた。しかし、IPV目撃を主訴として来院した患児は、いずれのクリニックでも5%未満であった。さらに、半数前後の患児が加害者と同居中であった。
3.きょうだい間における暴力の実態調査:大学生305名を対象にきょうだい間の精神的暴力の実態調査を実施した。69.8%がきょうだいからの精神的暴力被害の経験があった。そのうち半数以上が身体的暴力被害経験も併存していた。
4.教育現場におけるDV被害に曝される子どもの認識調査:143名の学校教育関係者を対象にDVに曝されている子供たちについてどれぐらい対応経験があるかを調査した結果、39.9%が対応経験があった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要に記載の通り、おおむね順調に進展している。ただし、当初予定していたIPV被害者に対する追加面接調査については、本年度は着手できていないため、次年度実施予定である。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、インベストメント・モデルをもとにした心理教育用パンフレットの開発のために、IPV被害者への追加面接調査を実施するとともに、面接調査で得た情報をもとにパンフレットの開発を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究成果を論文発表としたため、当初予定していた学会発表における旅費の支出が予定より少なくなった。さらに、当年度に一部実施予定であったIPV被害者に対する追加面接調査を次年度実施としたため、当該面接調査にかかる支出が予定より少なくなった。

次年度使用額の使用計画

IPV被害者に対する面接調査、心理教育用パンフレットの開発、研究結果報告のとりまとめ等、繰り越し分を含めて、次年度で計画通り支出予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] DV目撃が子どもに与える影響ー児童精神科クリニックにおけるカルテ調査から2017

    • 著者名/発表者名
      土岐祥子・藤森和美
    • 雑誌名

      武蔵野大学人間科学研究所年報

      巻: 第6号 ページ: 33-49

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] きょうだい間における精神的暴力の被害経験とトラウマの関連に関する研究2017

    • 著者名/発表者名
      藤森和美・篠崎なつ美・漆山まみ・土岐祥子・松浦正一
    • 雑誌名

      学校危機とメンタルケア

      巻: 第9巻 ページ: 63-81

    • 査読あり
  • [雑誌論文] DV被害に曝される子どもへの対応ー教育現場における対応の状況調査2016

    • 著者名/発表者名
      土岐祥子・松浦正一・清水真知子・藤森和美
    • 雑誌名

      安全教育学研究

      巻: 第16巻第2号 ページ: 3-12

    • 査読あり

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公開日: 2018-01-16  

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