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2017 年度 実績報告書

がまんしない・意識しない新しい食の統制法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K13154
研究機関池坊短期大学

研究代表者

山中 祥子  池坊短期大学, 環境文化学科, 准教授(移行) (30580021)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード食事コントロール / 食器 / 環境要因 / 摂食量 / 糖尿病 / 接近回避 / 無意識
研究実績の概要

本研究では食べたい欲求をがまんする意識的な食の抑制ではなく、対象に対する接近回避という身体運動や食器等の環境要因を操作する新たな食の統制法を試みた。まず大学生を対象に上腕の伸縮運動による態度変容の有無を検討した結果、予測に反し有意な態度の変容は示されなかった。その理由として上腕運動の疲労が逆に対象に対する否定的感情(回避)と結びついた可能性が示唆された。今後は疲労を生じず態度を変容させる最適な運動とその回数について検討する必要がある。次に一般成人を対象に盛りつけ場所の面積と盛つけ量との関係についていわゆるワンプレート皿を用い、皿の一番大きな場所に野菜を盛りつけるよう指定することで、指定なし時よりも盛りつけ量が多くなるかを検討した。その結果、野菜の盛りつけ量が有意に増加することはなかったが、野菜の摂取が多くなると主菜の量が減り、結果として栄養のバランスが改善される可能性が示唆された。さらに糖尿病患者を対象に同じワンプレート皿を使い同様の検討を行った。その結果、ベースライン時と比較し食器使用中では野菜の摂取量が有意に増加した。今回は食器を配布し携帯電話で食事の様子を撮影してもらい、その写真をもとにメールで後日食事指導する方法であったが、食器を使用しなかった統制群と食器使用群の事前事後の空腹時血糖値を比較したところ、食器使用群で有意に数値が改善していた。地方、特に個人医院においては糖尿病患者に対し管理栄養士が直接指導する機会を確保することは容易ではない。また高齢の患者の場合、食事管理の重要性についての情報や理解が十分でないことも多い。今回糖尿病の長期の血糖コントロールを示すHbA1cやインクレチンの分泌については有意な効果は示されず決して十分とはいえないが、今後IoT技術の駆使に加え、このような単純な環境要因の操作することで地方の高齢患者にも有効な食の統制法の可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 接近回避運動をもちいた新しい食行動コントロールの試みに関する予備的検討2017

    • 著者名/発表者名
      山中祥子
    • 雑誌名

      社会システム研究

      巻: 特集号 ページ: 87-101

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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