ヒトの視覚認知機能には存在する個人間多様性を理解するため、本研究では、視覚認知機能の研究に認知神経遺伝学の手法と視覚障害者を対象とした心理学実験の手法を導入し、遺伝子多型、脳機能、行動指標の多様性とその間 の関連解析を行うことにより、行動面に表出した多様性をもたらすメカニズムを解明した。特に視覚障害の研究においては、神戸大学が保有するバーチャル・リアリティ・システムを駆使して実験を行い、弱視者が直立中ないし歩行中に足もとがどのていど見えるかを計測する方法を開発し、健常者の計測データと 比較することにより、視覚機能の多様性についての研究を進めることができた。
|