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2015 年度 実施状況報告書

情動的鳥肌の生起に関わる神経基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K13165
研究機関関西学院大学

研究代表者

片平 建史  関西学院大学, 理工学部, 講師 (40642129)

研究分担者 川上 愛  玉川大学, 脳科学研究所, 科研費研究員 (70722007)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード鳥肌 / 情動 / 顕著性ネットワーク
研究実績の概要

当該年度の研究としては、情動的鳥肌の研究手法の確立のための基礎的な検討を実施した。実験室環境において情動的鳥肌を検討する本研究では、情動的鳥肌を生じやすい個人と刺激のスクリーニングが重要である。当初の研究計画では実験室実験での客観的計測によってこれを行うことを予定していたが、実験室実験に先行するスクリーニングも含めてプロセスをさらに精緻化する必要性が想定された。そこで、第一段階のスクリーニングとして情動的鳥肌の生起に関わる質問紙調査を計画し、実施した。
質問紙調査では、情動的鳥肌を体験する情動の種類(楽しさ、怒り、驚き、悲しみ、興味、恐怖、幸福、感嘆、嫌悪、恐怖の10種類)に注目し、どのような情動で鳥肌を体験するか、具体的にどのような状況で情動的鳥肌が喚起されたことがあるか、さらにその状況が持つ情動的な性質はどのようなものであるか、などについて回答を求めた。
調査結果に対する予備的な検討の結果、情動的鳥肌を体験する情動の種類に個人によって異なるパターンが見られたほか、情動的鳥肌を喚起する状況が持つ情動的性質がいくつかのグループに分類できる可能性が示唆された。
この結果は、情動的鳥肌と関連した主観的体験であるchillsがいくつかのパターンに分類でき、異なるタイプの情動と関連するという知見と一致する興味深いものであった。また、次年度以降の実験室実験で快と不快の情動で生じる鳥肌の比較を行うにあたり、実験参加者のスクリーニング方針を策定する上での有用な情報となると期待される。
このほか、鳥肌の客観的測定を行うためのハードウェアについて、最終的な目的であるfMRIでの計測可能性の検討を行った。また、実験室実験時とfMRI計測時の鳥肌の計測データの互換性が得られる最適な構成を明らかにするため、機材の検討を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の確実な遂行を図るために、当初の研究計画を精緻化し、当該年度に予定していた実験室実験にかえて質問紙調査による基礎的検討を行った。
当初予定していた実験室実験は次年度以降の実施となるものの、情動的鳥肌の研究はこれまで例のないものであり、質問紙調査から得られた知見は学術上新規な価値を持つとともに、研究課題の遂行上重要な情報を提供するものであった。
以上を総合して当該年度における研究の進捗状況を判断すると、当初の研究計画が拡張された中で十分な進展が見られており、おおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

質問紙調査の結果から、情動的鳥肌を体験する頻度だけではなく、体験する情動の種類が個人によって異なることが明らかとなった。本研究課題では最終的に快と不快の両方の情動で鳥肌を生起する個人を対象とする必要があるため、今後の研究では情動的鳥肌についての個人の反応パターンをさらに詳細に明らかにし、スクリーニングを行うための基準を探索する。
現在準備中の質問紙調査研究では、chillsとの関連が先行研究で示唆されているBig Five性格特性に注目し、鳥肌を体験する情動の種類と相関する個人特性を検討する予定である。
これと並行して、実験室レベルでの情動的鳥肌の客観的計測と、その他の生理データの収集を実施し、fMRI計測のための基礎的データの収集に努める。

次年度使用額が生じた理由

当初計画では、fMRI計測時の鳥肌の客観的計測に用いるMRコンパチブルカメラを当該年度に導入し、鳥肌計測システムの作製を行う予定であった。しかし、当該年度における交付金額が機材の調達価格に満たなかったことから計画を修正し、当該年度はより基礎的な調査研究の実施を優先したうえで、当該機器の導入は次年度以降の予算と組み合わせて行うこととした。

次年度使用額の使用計画

理由に述べたように、次年度使用額は当該年度に予定されていた実験機材を購入するためのものであるので、当該機材を次年度以降に購入する際の費用に充当する予定である。

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公開日: 2017-01-06  

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