研究実績の概要 |
欧米での博物館教育実践では、従来の「知識の伝達」から、「来館者とのつながり」を重視しつつ、来館者が能動的に経験をとおして意味を構成するプロセスとして学びはとらえられている。日本における近年の教育政策では、博物館と学校との連携が重視されている。しかし、博物館の教育的役割の転換に関する実証的・理論的知見を踏まえたものとなっていない。とりわけ、博物館の学習機会としての特殊性や、学習者である来館者が博物館経験をとおして、何を、どのように学んでいるのかは明らかでない。本研究では、構成主義の学習論的立場から、博物館経験をとおした意味構成のプロセスを明らかにし、これを踏まえた博物館教育論を構築するとともに、具体的な学芸員による効果的な学習支援のモデル・方法を提案することを課題とした。 この研究を通して、博物館がどのような教育的機能を果たしているのか。それはどのようなプロセスであるのかを実証的に解明した。その成果は、とくに震災からの復興における博物館の役割に焦点をあてたものとして国際研究大会で発表し、かつ、論文として公刊して広く公表し大きな関心をよんだ。成果は、以下のものである。 2018年10月国際学会(イタリア・フィレンツェ)Earthquake Disaster and the Potential of Adult Art Education:The Significance of Holistic Learning.[5th International Multidisciplinary Scientific Conference on Social Science and Arts SGEM,6(3) ,(2018),133-144], Exploring the Role of Art Museum for the Recovery from Disaster: The Potential of Museum Experience.[5th International Multidisciplinary Scientific Conference on Social Science and Arts SGEM,6(3),(2018),255-268],
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