欧米での博物館教育実践では、従来の「知識の伝達」から、「来館者とのつながり」を重視しつつ、 来館者が能動的に経験をとおして意味を構成するプロセスとして学びはとらえられている。しかし、博物館の教育的役割の転換に関する 実証的・理論的知見を踏まえたものとなっていない。とりわけ、博物館の学習機会としての特殊性や、学習者である来館者が博物館経験をとおして、何を、どのように学んでいるのかは明らかでない。本研究では、 構成主義の学習論的立場から、博物館経験をとおした意味構成のプロセスを明らかにし、これを踏まえた博 物館教育論を構築し、効果的な学習支援のモデル・方法を提案することを目的とする。
|