研究課題/領域番号 |
15K13176
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
七田 麻美子 総合研究大学院大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (10700586)
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研究分担者 |
鹿住 大助 島根大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (10609803)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 授業デザイン / 学習動機づけ / レディネス |
研究実績の概要 |
本年度は人文社会系における反転学習の効果的な授業デザインを明らかにするための実証的な活動と、人文社会学系を中心に、中等教育・高等教育における先行的な反転学習の事例調査を行った。特に実証的な活動においては、事前学習を含む受講者のレディネスを活かした対面学習のデザインを中心に授業の開発とその検証を行った。 具体的には、(1)大学教養科目における世界史関連の授業における反転授業のデザイン開発、(2)高大連携授業における倫理学の反転授業デザイン開発とその検証、(3)高大連携授業授業における文学の反転授業デザイン開発とその検証を行った。いずれにおいても、高度な学問的内容を学び、それを理解し、学習者がその内容について自ら主体的に思考することを学習目標として設定し、その際必要となる前提の知識を、①授業をうける前までのレディネスと、②授業をうける際に事前学習として学ぶ内容との組み合わせとして考え、①を活かした②の設定方法を検討した。その上で、それぞれの学問分野に合わせた対面の授業のデザインを検証した。 その結果、当該授業の内容の難易度に対しては①の把握が課題になること、②の設定が対面学習における学習活動と学習動機に影響を与えることなどが分かった。また、本研究で対象としている高次能力育成型反転学習の場合には、対面学習のデザインをする場合、授業者の技量とともに、分野によるばらつきがあることが示唆され、それを活かしたデザインを検証していく必要性があることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、当初計画において、反転学習向けeラーニングのコンテンツ開発のための基礎的研究を行う予定であった。このため、事前学習をその性質から分類し、実践をもとに分析し、その効果を検証することができた。これは次年度以降、コンテンツデザインを開発するための重要な視点を得ることにつながり、当該年度に予定されていた研究としては、十分な成果を得たと言える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、本年度得た知見を元に、事前学習のデザイン開発を行い、eラーニングコンテンツの開発を行う。さらに、この事前学習コンテンツを用いた反転学習を設計することも同時に行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年、当初計画で立てていた物品の購入に関して、予定していたより安価での購入になったことにより、少額ながら残額が発生したため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、27年度の残額を繰り越しした分を含めて、引き続きの開発のための実証的な研究と、授業コンテンツ開発のために研究費を使用する予定である。
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