学校や保育園・幼稚園などに対して近隣住民から、子どもの声や部活動の音、通学のマナーや、砂ぼこり、植栽などに関する苦情・クレームはあとをたたない。住民の平穏な生活環境を保護することと、子どもの成長発達にとって必要な教育機関から必然的に生じる生活騒音やマナー問題を、どのように両立させていくことが必要かをこの研究課題では探っていった。数々のアンケート調査および実態調査を重ねる中で、多くの論文を著してきたが、その集大成として『「迷惑施設」としての学校―近隣トラブル解決の処方箋』(時事通信社、2017年)を刊行した。ポイントは、問題解決の主役は教職員ではなく児童生徒がどのような役割を果たすかにある。
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