研究課題/領域番号 |
15K13181
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
馬 暁華 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (30304075)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 歴史教育 / 人材育成 / 博物館 |
研究実績の概要 |
本研究は、アジア・太平洋地域における知的共同体構築の過程の中で、歴史教育がどのような役割を果たすべきかを明らかにし、グローバル人材育成戦略における歴史教育の新たな方策を探ることを目的としている。具体的には、アジア・太平洋地域、おもに日本・中国・米国三国の平和・戦争・歴史博物館に注目し、戦後日本・中国・米国三国国民の歴史認識の形成過程を実証的に分析する。とくにそれぞれの博物館がどのような特徴を持ち、どのような社会的機能を果たしているかを総合的に分析する。その上で、博物館が国民意識の変容、さらに歴史認識の形成に果たしてきた役割を明らかにする。 平成29年度は当初の予定通り、前半は日中両国の平和・歴史・戦争博物館に関するテータ収集、調査と研究動向の分析に力を注ぎ、後半は資料データの分析やインタビュー調査を実施した。現地調査・収集した資料を基に、日中両国の博物館の問題点および人材育成の過程における歴史教育の課題について比較研究を行い、2017年7月8日に、The Twenty-First Asian Studies Conference Japanで、"History Controversy and Reconciliation in Sino-Japanese Relations"を題する研究報告を行った。 グローバル時代における歴史教育人材をどのように育成すべきか、東アジア地域の歴史教育の現状を分析し、総合的に検証する必要がある。今後は、調査・収集したデータ資料を使うことで、国際比較の視点から歴史教育と人材育成に関する研究をさらに深めていく。とくに文献資料調査・分析を進めながら、和解に向けた歴史教育および人材育成の課題は何かを明らかにしていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では、平成29年度は1回の海外インタビュー調査(アメリカ)および1回の海外研究成果報告を予定していたが、日中両国で行った現地調査・収集した資料が膨大であるので、データ資料の分析が相当な時間が必要である。そのため、当初予定していた研究成果の刊行が困難になる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、現地調査およびデータ資料の分析を中心とした研究の推進に力を注ぎつつ、成果公開へ向けた本格的な取り組みにいっそう努力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年前半、予約済みの資料文献が入荷する予定であり、後半に、海外で研究成果の報告を予定している。そこで昨年度分の研究費を充てる予定である。
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