① 研究目的 本研究はアジア・太平洋地域における知的共同体構築の過程の中で、歴史教育がどのような役割を果たすべきかを明らかにし、グローバル時代における歴史教育の新たな方策を探ることを目的としている。具体的には、アジア・太平洋地域、おもに日本・中国・米国三国の平和・戦争・歴史博物館に注目し、戦後日本・中国・米国三国国民の歴史認識の形成過程を実証的に分析する。とくにそれぞれの博物館がどのような特徴をもち、どのような社会的機能を果たしているかを総合的に分析し、グローバル時代における人材育成の方策を探る。その上で、博物館が国民意識の形成、変容、さらに歴史認識の形成に果たしてきた役割を明らかにする。 ②研究方法 平成30年度の前半は日本・中国・米国の平和・歴史・戦争博物館に関するテータ収集、インタビュー調査に力を注ぎ、後半は収集した資料データの分析を行った。現地調査・収集した資料を基に、グローバル時代における歴史教育の課題とは何か、比較研究の視点から研究を進めた。今後、この研究をさらに発展させる上での研究基盤を整備した。 ③研究成果 日本・中国・米国の博物館の戦争展示の特徴および問題点などを中心に、歴史教育の課題について海外の学会で研究報告を行った。グローバル時代における歴史教育をどのように展開すべきか、アジア・太平洋地域の歴史教育の現状を分析し、総合的に検証する必要がある。今後は、調査・収集したデータ資料を活用し、国際比較の視点からグローバル時代における歴史教育の方策をさらに深めていきたい。
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