研究課題/領域番号 |
15K13183
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
辻田 宏 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 教授 (90197690)
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研究分担者 |
石筒 覚 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 准教授 (50314977)
内田 純一 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 教授 (80380301)
湊 邦生 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 准教授 (70534907)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | サービスラーニング / レジリエンス / 大学生 / 地域住民 / 教育効果 |
研究実績の概要 |
1.学生及び住民のアンケートに用いるレジリエンス調査票を作成した。学生の調査票は、基本属性に加え、心的傾向や行動特性、家族や学生生活に関する項目で構成されている。また、住民の調査票は、基本属性に加え、心的傾向や行動特性、家族や生活に関する項目で構成されている。 2.3月29日に明治学院大学ボランティアセンター(白金キャンパス)を訪問し、同センターの市川・中原両氏にインタビューを行い、同学のボランティア学関連科目やボランティア活動等について説明を受けた。また、学生の事後評価に関して、現在学生が自らキーワードをピックアップして行っているほか、2016年度より学生自身が有機的な学びを作ることを目指し、所定の条件を満たした学生への証明書を発行するプログラムを実施していることの紹介があった。一方、地域側の評価に関しては、活動に関わる当事者の変化に加えて、地域のマジョリティの変化も重要となるという見解を得た。 3.テキサス州立大学ダラス(UTD)校及び北テキサス大学(UNT)においてヒアリング調査を実施した。UTDにおいては、「Office of Student Volunteerism」のアシスタントディレクターのMonalisa Amidar氏にUTDのサービスラーニングの状況、地域パートナーとの関係などについてヒアリングを行った。UNTにおいては、国際グローバルパートナーシップ・リサーチ部局のChristina Johnston氏にヒアリングを行った。UNTでは、「Center for Leadership and Service」がサービスラーニングの担当部局であり、インターンシップやボランティアなどについての対応を行っていたが、2013年からは、新たな全学的教育プログラムである「UNT Career Connect」の下で実施されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.先行研究に基づき、学生及び地域住民のレジリエンス調査のためのアンケート項目の作成は出来たが、本来それに反映させるべき国内外の調査訪問が不十分であった。次年度のアンケートのブラッシュアップの際には、予定していた調査訪問の結果を反映させたいと考えている。 2.学生及び住民のレジリエンスに関する予備的調査及び分析は、対象として予定していた「地域理解実習」(地域協働学部1年生2学期)の授業では、実習プログラムの編成上の問題や地域パートナーの理解を得ることが出来なかったなどの事情で実施することが出来なかったが、28年度の本調査は、実施できる予定である。すでに4月には学生のプレアンケートを実施し、5月には地域住民のアンケートを実施予定である。 3.全米サービスラーニング学会への参加は、3月に予定していたが、2016年の開催が例年の3月ではなく4月初旬に変更になっていたため、参加できなかった。4月初旬は、入学式やオリエンテーション等新学期の行事が重なっており、次回の参加については日程調整も含めて検討する必要が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
1.4月(学生)と5月(地域住民)にレジリエンスの変化を見るための事前アンケートを高知大学「地域協働学部」の平成28年度1年生1学期「課題探求実践セミナー」(※必修科目)の受講学生及び実習先(高知市、香南市,南国市、仁淀川町)の住民を対象に実施する。また、学期末及び学年末には事後アンケートを実施しサービスラーニングの教育的効果を検証する。 2.学生及び住民を対象としたレジリエンスに関する事前・事後アンケート及びヒアリングの内容・方法の改善を実施し、レジリエンスに対するサービスラーニングの教育的効果を検証する「総合的検証プログラム」(案)の開発を行う。 3.前記の「総合的検証プログラム」の開発と並行して,その開発の内容や方向性を踏まえながら学生と住民の同時的・一体的レジリエンス向上に資するサービスラーニングプログラム(案)を開発する。同プログラムは,①目的・目標 ②事前・事後学習,③学習実践内容・方法,③振り返りの内容・方法,④教育効果の検証内容・方法,⑤地域への効果の検証内容・方法 ⑥プログラムの改善の方法・システムなどで構成される。 4.全米青年リーダーシップ評議会(National Youth Leadership Council)が開催する全米サービスラーニング学会に参加し、研究成果の発表、情報収集及び研究交流を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた最大の理由は、新学部(地域協働学部)の開設年度に伴う繁忙さのため、国内外の訪問調査の日程が組めなかったことである。研究代表者及び分担研究者4名は、すべて地域協働学部の教員である。全米サービスラーニング学会の3月から4月への開催時期の変更も影響した。 また、予備調査のために確保していた人件費・謝金も同様の理由から、執行できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
地域協働学部は開設2年目を迎え、授業の編成や準備、会議等の日常的な業務に少し余裕も出てきており、各種委員会の計画的な開催も軌道に乗りつつあるので、訪問調査や住民調査の日程調整を早めに行い、それらの計画が確実に実行できるようにする。 特に海外調査について金額も大きいので、2人分延べ3回の出張を計画的に実施し、適正な予算の執行をしたいと考えている。
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