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2015 年度 実施状況報告書

格差貧困に抗する成人基礎教育学にむけて―領域横断的な共同探求ネットワークの構築

研究課題

研究課題/領域番号 15K13191
研究機関和光大学

研究代表者

岩本 陽児  和光大学, 現代人間学部, 教授 (10350357)

研究分担者 添田 祥史  福岡大学, 人文学部, 准教授 (80531087)
石井山 竜平  東北大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (30304702)
新矢 麻紀子  大阪産業大学, 教養部, 教授 (70389203)
湯澤 直美  立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (00277659)
藤田 美佳  奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (90449364)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード基礎教育 / 教育保障 / ネットワーキング / 公立中学校夜間学級 / 立法運動 / 格差・貧困 / 夜間中学 / 自主夜間中学
研究実績の概要

<前史>2014年度中に基礎教育学会(仮称)構想・懇話会を3回、6月9月11月に東京・横浜で開催し、4回目の2015年2月会議から、基礎教育学会(仮称)準備会と、その名称を改めた。
■2015年中は、科研費の助成を得て以下の会議を開催し、議事を積み上げるとともに、格差貧困に対抗する基礎教育保障のための、多様な知的バックグラウンドの研究者と実践者(ステイクホルダー)のネットワーク化による新たな学会づくりの準備をすすめてきた。
【第2回準備会】2015年5月10日(16名)「筑波大学東京キャンパス文京校舎」(東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅)、【第3回準備会】2015年7月12日(33名)「大阪産業大学サテライト」(JR大阪駅)、【第4回準備会】2015年9月13日(17名)「筑波大学東京キャンパス文京校舎」(東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅)⇒学会名を「基礎教育保障学会」とすることを確認。【第5回準備会】2015年11月8日(9名)「福岡大学」
○【基礎教育保障学会(仮称)準備会・拡大世話人会】2016年1月24日(13名)「学びリンク社会議室」(JR市ヶ谷駅)【第6回準備会】2016年2月14日(14名)徳島市「ふれあい健康館」
第5回準備会以降は、九州、四国と全国展開して、各地で取り組まれている自主夜間中学を応援しつつ、ネットワーク化を進めているところである。こうした会議については、丁寧な記録を起こし、会議に出席できなかった人たちとも共有が可能な状態にしている。
学会準備会の世話人を9名確定し、新学会の呼びかけ人、理事、役員候補者名簿、規約・規定類の原案を着々と進めている。メイリングリストには、全国50名の登録がある。ニューズレターも年度内に3号発行し、普通教育保障に取り組んでいる超党派議員連盟所属の国会議員とも共有した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

1、大学等の、日本語教育、福祉、社会教育、教育社会学等多様なバックグラウンドをもった研究者サイドから、好意的・積極的な協力を得て、ネットワーク化を進めることが出来ている。回を重ねるごとに新たな賛同者を得てネットワーク化が進んでおり、各分野からの基礎教育保障の実践的な研究への熱い期待を感じている。
2、地方行政と連携した、実践的な取り組みへの評価が高い。第六回徳島大会では、後半、徳島市教委と連携して若手教員の研修会である「とくしま教師塾」で夜間中学のドキュメンタリー映画「こんばんは」の上映と、映画監督・呼びかけ人による講演会を実施し、約100名の若手教員に、基礎教育保障の意義を伝えることが出来た。翌日には市教委幹部との意見交換会を持った。第七回札幌大会では、後半を公開シンポジウムとして、現地実行委員会からの取り組みの報告を聞き、立法運動の最新情報なども提供した。地元議員、行政官、それから自主夜間中学で学んでいる学習者多数の参加を得て、実践的な知の交流に手ごたえを感じている。
3、広報として、馳文部科学大臣インタビューを冒頭に掲載した学びリンク社『全国夜間中学ガイド』(本文168ページ)が3月に刊行され、33ページに「基礎教育保障学会」設立の予告記事を掲載した。国土社『月刊社会教育』では「夜間中学のいま」と題し、1年ものの連載を4月から開始した。HPおよびフェイスブックもすでに稼働を始めており、予告・報告記事を随時アップしている。
その一方で、学会のルール作りなどの議事については、限られた会議時間の中で押せ押せとなっている一面があることは否めない。メンバーが全国に散っていることから、メイルでのやりとりを密にしたり、拡大世話人会を開催したりして、日程に支障がないようにやりくりをしている。その効果があって、さいわい実害は今のところ出ていない。

今後の研究の推進方策

【第7回準備会】2016年5月8日「北海道大学」では、上記したように公開シンポジウムを開催したが、これには約70名の参加があった。
【基礎教育保障学会(仮称)準備会・第2回拡大世話人会】2016年6月19日に都内で開催し、最終的な議題整理と、提案の確定を行う予定である。
【第8回準備会】2016年7月10日「筑波大学東京サテライトキャンパス」(JR茗荷谷駅)(予定)学会設立に向けた記者会見も予定している。
■【基礎教育保障学会・設立総会と記念大会】2016年8月21日「国立国語研究所」創立総会のプログラムはほぼ確定している。記念大会についても、すでに記念学術講演にユネスコ職員を、記念スピーチに文部科学省審議官を内定しており、国会議員および全国夜間中学研究会からのあいさつについて、調整を行っているところである。
これらが終了したところで、この間の動きについての報告をまとめるとともに、日常的な研究体制構築に向けたチャレンジを行うことが、今後の課題である。

次年度使用額が生じた理由

1、514710円のうち約40万円は、HP関係(デザイン、ドメイン取得等)の請求が昨年度から本年度送りになったことによる。
2、残額は、研究分担者の2016年度海外サバティカルが認められたことで、2016年度に回したことによる。

次年度使用額の使用計画

1、これは、2016年5月付で394394円の請求書を受け取り、近々処理する予定である。
2、すでにアメリカで基礎教育保障の研究に入っており、創立大会にあわせ帰国する際の旅費への充当が予定されている。

備考

トップページには当学会について、大会情報、学会誌ダウンロード、学会からのお知らせがあり、文献ガイド、関係機関ガイド、教材案内となる。「文献ガイド」はさらに政府・ユネスコ関係、識字学級、夜間中学、地域日本語教室、生活困窮者自立支援(子どもの学習支援含む)に分かれ「関係機関ガイド」と「教材案内」は公立夜間中学、自主夜間中学、識字学級、地域日本語教室、子どもの学習支援、生活困窮者自立支援に分たれている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 その他

すべて 雑誌論文 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 自分が人生の主人公になるための場所2016

    • 著者名/発表者名
      見城慶和
    • 雑誌名

      夜間中学ガイド

      巻: 1 ページ: 60-63

  • [雑誌論文] 夜間中学のいま (1)夜間中学で学ぶということ2016

    • 著者名/発表者名
      関本保孝
    • 雑誌名

      月刊社会教育

      巻: 60 ページ: 60-63

  • [雑誌論文] 夜間中学のいま (2)札幌遠友塾自主夜間中学の26年と未来2016

    • 著者名/発表者名
      工藤慶一
    • 雑誌名

      月刊社会教育

      巻: 60 ページ: 60-63

  • [雑誌論文] 夜間中学のいま (3)松戸自主夜間中学校の33年とこれからの展望2016

    • 著者名/発表者名
      榎本博次
    • 雑誌名

      月刊社会教育

      巻: 60 ページ: 60-63

  • [雑誌論文] 夜間中学のいま(4)埼玉の夜間中学30年2016

    • 著者名/発表者名
      野川義秋
    • 雑誌名

      月刊社会教育

      巻: 60 ページ: 60-63

  • [備考] 基礎教育保障学会 設立準備会

    • URL

      http://jasbel.org/

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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