研究課題/領域番号 |
15K13192
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
菅谷 彰 神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30162853)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 障害者差別解消法 / 歯科医学教育 / 合理的配慮 |
研究実績の概要 |
歯科医学教育に関する障害者への状況を調査する目的で、29の歯学部・歯科大学に対し、現在の障害者の在籍状況や、障害の種類、対応等に関するアンケート調査を行い、すべての歯学部・歯科大学より回答が得られた。障害者差別解消法の正式実施に関する意識としては、「よく理解している」と回答した学部・大学が3校、「おおむね理解している」が20校、「あまりよく知らない」が6校、「全く知らない」は0校であった。対象となった総在学生数は15465名で、そのうち障害ごとの在籍者数としては、視覚障害者:0名、聴覚障害者:4名、肢体不自由者:3名、病弱・虚弱者:30名、発達障害者:3名、精神障害者57名、障害を有する学生の総数は97名程度であり、全学生に占める割合としては0.1%に満たない状況であった。 過去に受け入れた経験のある学部・大学は23校、障害者の受入れ体制に関しては、障害の種類による可否はあるものの、可能と回答した学部・大学が17校、体性がないとしたものが12校であった。また今後の受入れに関しても現状の受入れ状況とほぼ変わらない結果で、近い将来の積極的な受入れ体制の構築はあまり期待できない状況であった。 また歯学部教育の入り口でもある入試の際の扱いに関しては、障害の種類により若干の差異はみられたが、おおむね10の学部・大学において対応しているといった回答であった。 以上の結果から、すでに法制化された障害者差別解消法に関してて十分に理解していると考えられる学部・大学は6校程度と少なく、また現状の受入れ状況や、今後の受入れ体制、入学時の対応などの結果から、機会平等の観点にのっとった障害者に対する適切な対応が実施されない可能性も懸念された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請した通り、27年度は全国歯学部・歯科大学における障害者の受け入れ状況や、今後の対応に関する調査を行い、対象とした29膳学部・大学より回答が得られ、歯学部・歯科大学の障害者に対する取り組みの現状が確認できたところである。
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今後の研究の推進方策 |
27年度の調査結果を踏まえ、実際の教育に関する検討と現状への必要な対応に関し検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用予定の解析ソフトの使用が次年度以降で可能と判断されたため。
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次年度使用額の使用計画 |
使用予定の解析用ソフトを購入予定
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