本研究の目的は、タイ人ムスリム留学生を対象に、近隣イスラーム圏であり文化的共通性も高いマレーシア留学の実態について、送り出し国と受入れ国の相互関係を踏まえて実証的に明らかにし、マレー・イスラーム文化圏を軸とした新たな留学ネットワークの構造的解明をはかることにあった。 第1年次にあたる平成27年度の研究実施計画は、①タイにおけるイスラーム教育政策・制度とその実態、②タイにおけるムスリムを対象としたASEAN 域内留学交流の行政施策、支援体制の分析・解明、③先行研究を踏まえた本研究の分析枠組みの構築、であった。 実際に実施したのは、留学生の派遣側であるタイおよび受入れ国マレーシアにおける留学交流状況について両国において調査を行い、その状況を解明した。
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