研究課題/領域番号 |
15K13206
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
日下部 達哉 広島大学, 教育開発国際協力研究センター, 准教授 (70534072)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ムスリムネス / 南アジア / マドラサ |
研究実績の概要 |
二年度目にあたる平成28年度は、6月に北京において開催された、第16回世界比較教育学会で、初年度の研究から導出された研究成果を発表した。本研究の成果について、世界の比較教育学および宗教教育研究者からの批判を仰ぎ、仮説生成に際しての限界、制限、発展可能性について探った。また、7月に広島大学において、International Symposium for Diversification of Islamic Educationを開催、主催者である日下部が、バングラデシュのムスリムネスの創造について発表し、広島大学大学院国際協力研究科博士後期課程のWiji Astuti氏が、インドネシアのコーラニックスクールの多様化について発表した。また広島大学教育開発国際協力研究センターの清水貴夫氏が西アフリカのフランコアラブ学校の改革について発表した。ここでは約50名の聴衆を迎え、活発な議論を行った。 また、調査については、バングラデシュ・インド両国を訪れ、ラマダン(断食)期におけるイードの大祭、ワズ・マフィル(マドラサ文化祭)などの開催時期の情報をもとに、教育・社会・政治機能において、実際に行われている宗教行事に参加しつつ観察調査を行った。また、教師、生徒等へのインタビュ-も行った。 現在、これらのデータ分析を行っており、国内外の関連研究者たちと議論しながら南アジアのムスリムネスのとらえ方、地域間比較のあり方など、根本的な部分から考えていこうとしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに調査が進捗しているため。また、7月に開催した広島大学におけるムスリムネスの創造に関する国際シンポジウムでは、インドネシア、バングラデシュをはじめとするムスリムの人々、また、イスラーム教育の専門研究者を招くことができ、研究に大きな進展が見られたため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、南アジアに焦点をあてて調査は遂行していくが、ムスリムネスの地域性や多様性についても目を向け、国内外の情報収集・分析に尽力したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は、バングラデシュのダッカ大学との共同研究をしているが、先方の大学のネット不具合により、データの送付が遅れたため、日本側で予定していたデータ分析のための謝金の支払いを繰り越す形になった。
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次年度使用額の使用計画 |
三年度目である平成29年度に、分析のための謝金を支払う形で執行予定である。
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