不祥事を起こした学生に対する教育・研究機関としての大学の在り方

2016 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 15K13207
• 研究機関: 香川大学
• 研究代表者: 高倉 良一 香川大学, 教育学部, 教授 (80197079)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2018-03-31
• キーワード: 大学教育 / 不祥事 / 少年非行 / 懲戒処分 / 犯罪更生 / 犯罪被害者 / 高等教育 / 大学生

研究実績の概要

本研究は、高等教育機関である大学が、不祥事を起こした学生に対して、どのような対応を行っているかに関する調査を実施し、大学に相応しい対処法を検討するための基礎的な資料を作成することを目的としている。日本のすべての大学を調査対象とすることは困難なので、国立大学法人に限定して調査することを目的としている。
平成２８年度に行った研究の概要は、アンケート調査項目の作成、文献の収集、関連する学会に参加し、平成２９年度に研究報告が可能かどうかを確認したという３つに大別される。
アンケート調査項目に関しては、前年度にインターネット上で利用可能な各種のデータベースを利用して、平成１６年４月から平成２７年１２月までの期間に、大学生が起こした不祥事に関する情報を収集し作成した一覧表に基づいて作成した。特に、集団強姦、強制わいせつ、児童買春、強盗、窃盗、大麻取締法違反、飲酒強要による死亡事故に関する調査項目の作成に関しては、質問の表記方法に留意した。文献収集に関しては、前年度に作成した研究文献目録の中から、大学教育に関する文献を購入した。学会参加に関しては、法と教育学会と大学教育学会の課題研究集会に参加した。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

各国立大学法人へのアンケート調査に関しては、調査項目に関する設計は行ったが、２８年度中に終了する予定であったアンケート調査の実施と分析には着手できなかった。
大学生の不祥事に関する調査項目の作成に際しては、予想していた以上に検討しなければならない問題が潜んでいたからである。
文献の収集に関しては、大学教育に関する文献はかなり購入することができた。しかし、少年非行、犯罪被害者への対応に関する文献の収集は不十分であった。あり、２９年度にも、さらに収集する予定である。
関連する学会に参加し情報を収集することに関しては、法と教育学会と大学教育学会の課題研究集会に出席した。しかし、参加を検討していた学会すべてに出席することができなかった。

今後の研究の推進方策

アンケート調査に関しては、平成２９年７月までに実施し、その分析作業を行う。
文献収集に関しては、さらに、大学教育に関する文献を購入するとともに、少年非行、犯罪被害者への対応に関する文献を収集する。
関連する学会参加に関しては、昨年度出席できなかった学会に参加するとともに、研究内容の一部を研究発表することを目指す。

次年度使用額が生じた理由

アンケート調査の実施が遅れているためである。

次年度使用額の使用計画

アンケート調査資料を送付するために使用する予定である。