研究課題/領域番号 |
15K13208
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木村 拓也 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (40452304)
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研究分担者 |
井ノ上 憲司 長崎県立大学, 教育開発センター, 特任助教 (70542033)
山田 礼子 同志社大学, 社会学部, 教授 (90288986)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 大学生調査 / QOL尺度 / 第一世代論 / 両親学歴 |
研究実績の概要 |
研究初年度にあたる本年は、来年度の大学生のQOL尺度作成の調査実施に向けて、論点整理と既存データの分析を行った。米国の大学生調査の13,155人分データを分析した。米国の大学生データには、親学歴や年収が項目として取られており、その観点から分析を行った。即ち、両親が大学「未」卒業者であり,当人が家族内で初めて大学に通う学生を「第一世代」とし,その対照群として,両親が大学のみを経験(未卒業を含む)している学生群(「大学のみ経験世代」),両親のうちどちらかが大学院も経験(未修了を含む)している世代を(「大学院経験世代」)として、分析した。これまで「第一世代論」はあったが、大学が大衆化した現在、「ポスト・第一世代論」として、両親学歴における大学院経験の効果を測定した。こうした効果が現れたことで、大学生のQOLにも両親学歴の効果が大きいと想定され、次年度の調査票作成に向けて大きく前進した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予定になかった米国の大学生調査の13,155人分データが入手でき、その分析を行ったことで、大きな進捗を得た。その意味で、当初の計画以上に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
「大学生版(QOL)」(Quality of College Student Life and Well-being)の質問紙開発を行い,日本国内大学での予備調査を行い,項目分析を行うなど、質問紙開発の手順を順次着実にこなすことを予定している。医療分野におけるQOLに詳しい研究者を招き,その理論枠組みや複数ある包括的尺度のQOL指標の質問項目を具体的に検討したり,経済系の研究者を招き,経済学におけるwell-being研究の情報提供を頂いたりすることで,質問項目の原案をつくることを行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
分担者の予算に残額が生じたために、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
分担者において、96円の繰越金と合わせて、次年度予算を執行する。金額も端数のため、主に、調査実施に際する文具等に利用する予定である。
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