OECDやメルボルン大学が提唱する21世紀型スキルに、日本文化の独自性をもつ「気づきシステム」を加え、日本型のものを提案するの が目的です。その為に、震災後の教育の期待のシナリオとして新設された高校の災害科学科で、21世紀型スキルの「ともに働く」を特 化し、アセスメント手法で具現化します。国内でも、先行研究が少ない中、27年度、28年度には、学習と評価に関してワークショップ を行うことができた。まずは、評価観を、探求を伴うアセスメントとして、すなわち、ルーブリックを用いるにしても、生徒に還元で きるもの、教師からの一方向ではなく、双方向、何よりも、多面的な物差しで測れるリッチなパフォーマンス課題(タスク)によるモ ニタリングが重要との共通認識にたつことができた。そのため、確たる評価観をもって学習と指導に当たれるよう、教員の力を存分に 発揮できるような仕掛けと仕組みを工夫するという前提に立つ必要があると考えられた。生徒の思考力に関して、多面的な把握の方法 として、スプレー図、リッチピクチャ、因果関係図(CLD: Causal Loop Diagram) などをもとに、story telling を進めていけるよ うにした。しかも、ハザード、社会の背景、災害対応という分野ごとに、あるいは分野を超えて、どのように、関連知が見出されるか 、生徒の推論を可能とするものへと仕上げ、その一部は、Stella等ソフトウェアに載せられるようにしていった。そして、メルボルン大 学との学術交流協定をさらに推進し、国内の21世紀型能力の教育に役立て、この研究を海外のLAP LAMBERT 出版社などから英文で出版する旨の要請等があった。
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