本研究の目的は教職大学院における「学修の成果としての報告書」を教科教育学の視点から分析し,その実態と課題を明らかにする。黎明期設置の13の教職大学院の報告書,2013年度から3年分の1341件分を分析した。比較対照としてフィンランドの2つ大学の修士論文194件も分析した。分析方法には教科教育学の構想案(佐藤裕)とテキストマイニング法である。 分析の結果,これら報告書においては「授業」を中核とし,「教授-学習」に関わる研究が行われていることが量的にも構造的にも認められた。また,これらの教職大学院は,「授業」,「教科」,「子供」,「学習」などのキーワードの結び付きにより特徴づけることができた。
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