研究課題
本研究は、教科の基盤となる資質・能力とは何かを明らかにし、それらを幼小接続期教育において育成するためのカリキュラム及び指導法を構築することを目的とした。平成27年度は、各教科の基盤となる資質・能力に関して、教科内容を中心に分析した。また、幼小接続カリキュラム作成に向けて、幼稚園・小学校の教諭を対象として調査研究を行い、幼小接続カリキュラム開発に必要な要件を明らかにした。さらに、幼稚園の教育課程における各領域の活動の分析を通して、小学校の各教科の基盤となる資質・能力との関連性を検討し、これらを総合して、年度末に幼小接続カリキュラムを作成した。平成28年度は、幼小接続カリキュラムをもとにして小学校のスタートカリキュラムを実施した。一方、音楽科の基盤となる資質・能力に関して、過去の優れた実践である「ふしづくりの教育」の授業を分析することにより、資質・能力を育成する指導法の開発に示唆を得ることができた。また、音楽科の指導法を開発するに当たり、聴取力の実態に関する調査研究を行った。平成29年度は、平成28年度に実施した幼小接続カリキュラムの有効性に関して研究を行った。その結果、幼小接続期に育った資質・能力の具体像を示すことができ、教諭・子どもの成果、保護者アンケート調査結果から見えた成果から、異学年交流による効果が非常に高いことがわかった。また、幼小中12年間一貫教育における音楽カリキュラムを完成し、幼稚園における音遊びで育まれる汎用的資質・能力、及び小学校における音楽遊びで育まれる音楽的感覚・音楽能力に関する研究を行った。さらに、「ふしづくりの教育」の指導法を、幼稚園、小学校、特別支援学校で実施し、有効性と課題を明らかにした。
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子どもと発育発達
巻: Vol.15 No.1 ページ: 64-70
中国四国教育学会教育学研究紀要(CD-ROM版)
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