研究課題/領域番号 |
15K13237
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
鳥原 正敏 都留文科大学, 文学部, 教授 (70272648)
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研究分担者 |
杉本 光司 都留文科大学, 文学部, 教授 (80295542)
堤 英俊 都留文科大学, 文学部, 講師 (60734936)
布山 浩司 都留文科大学, 文学部, 准教授 (20743644)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 図画工作 / データベース |
研究実績の概要 |
研究フィールドである、参加学校・団体との連携関係をより密なものへと高めた。都留市立旭小学校では校長のリーダーシップのもと、学校全体で活動することができるようになった。これにより全学年の作品を撮影しデータを収集することができた。 またもう一つの研究フィールドである、西宮市の造形教室「こどもアトリエ」ではその成果発表の場である「さつき展」において、これまでこどもアトリエで制作された作品の画像を映像ファイル化し展示、関係者から話しを聞くことができた。また、これをDVD化し関係者に配布することができた。こういった活動を通して、こどもアトリエの関係者に活動の趣旨がより十分理解された。 このように2つのフィールドの活動環境が整ったことで、本研究活動の目標の一つである作品データを使った子どもたち同士の心の交流を実現することが可能となった。具体的な実践活動として、旭小学校で撮影した作品の画像を見ながら、「こどもアトリエ」の子どもたちから旭小学校の子どもたちへ向けたメッセージを書いてもらい、これらを使って研究チームで映像を制作、DVD化し旭小学校全児童に配布、担任の先生を通じて様子を伺った。更に、これに関わる教師や保護者からコメントをもらうことができた。内容はポジティブな評価であった。 一方、参加者からは「データベースを直接閲覧したい」といった要望が多く寄せられた。データベース「たからばこ」は個人情報保護の観点から非公開が前提である。こういった理由から、現在では個人情報や非公開の情報を記載しないミラーサイトの構築を検討している。これが完成すれば個人情報を保護しつつ画像・映像を参加者が直接検索できるようになる。しかし、これまで想定してこなかった問題や課題が生じるリスクもあり、慎重に判断する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
参加団体である都留市立旭小学校との連携関係を構築するといった目標について、当初、本プトジェクトの趣旨に対して少数ではあるが保護者に理解を得られない場面があり、その調査や対応等について想定外に時間が必要となったが、本年度後期にようやく校長のリーダーシップにより課題を解決することができた。 データベース「たからばこ」の改良について、参加者からニーズが多かった公開可能なサイト「ミラーサイト」について関係者と打ち合せを行っているが、webデザインや予算の課題を含め検討を重ねており次年度での予算執行となってしまった。 旭小学校の日常における展示方法に関して、学校への説明に苦慮してきた。しかし、校長の指導で課題はようやく解決し、具体的な検討を行うことができるようになった。 以上のことの対応から、当初の予定より遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
研究フィールドである都留市立旭小学校と西宮市の造形教室「こどもアトリエ」に於いて、当初、研究活動に十分な理解が得られず苦戦をしてきたが、ようやく信頼関係を構築することができた。これにより本研究活動の目標である「作品データによる子どもたちの心の交流」が可能となった。本年度は旭小学校の作品に対して「こどもアトリエ」の子どもたちからメッセージを送った。今後は、「こどもアトリエ」の作品に対して旭小学校の子どもたちからメッセージを送ることで「相互による交流」を実現したい。 日常空間における展示について、プロジェクターやタブレットを使った展示などを検討している。そのほかでは、ニーズの高い「ミラーサイト」について検討したい。予算・技術・個人情報保護の観点から慎重に判断する必要があると感じている。 また、これまでの活動を振り返るために関係者を一堂に集め、カンファレンスを開催し、総括を行うとともに本研究の意義や可能性について確認を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加団体である都留市立旭小学校との連携関係を構築するといった目標について、当初、少数ではあるが保護者に充分理解を得られない場面があり、想定外に時間が必要となった。また、研究途中で新たな課題となった、公開サイト「ミラーサイト」構築の検討等に時間を要し、研究費の執行が遅れてしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
ICTを利用した日常空間における展示の検討・実施費用。新たに課題となった公開可能サイト「ミラーサイト」構築の検討・システム構築。これまでの研究や活動を振り返るため、関係者を一堂に集めカンファレンス開催する予定としており、その開催費用として執行予定である。
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