本研究は、小中接続期の算数・数学で学ぶ「場合の数」を取り上げ、並べ方や組み合わせ方に対する児童生徒の誤概念や素朴概念が数学的概念へと変容する過程で、図表を活用する方略をどのように獲得し、用いるのかを明らかにすることを目的とする。小学6年生71名と中学2年生88名を対象に質問紙調査を実施し、1)図表の活用に対する動機づけと苦手意識尺度を開発し、2)図表の活用に対する動機づけと苦手意識および事前事後テスト得点と実際に用いた方略の関係を検討した。その結果、学校教育では図表を用いて解くよう指導されるが、書き出しや乗除法を用いた者の方が、図表を用いた者よりも図表に対する苦手意識とテスト得点が高かった。
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