研究課題/領域番号 |
15K13248
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小林 宏明 金沢大学, 学校教育系, 教授 (50334024)
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研究分担者 |
坂田 善政 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), その他部局等, その他 (20616461)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 吃音 / 中高生 / 青年 / メンター |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、吃音のある中高生・青年のための「同じ悩みを経験したことのある吃音のある人(吃音当事者) による支援」の担い手となるメンター(信頼のおける相談相手)を養成するプログラムを開発することである。本年度は、メンター養成プログラム作成のための基礎資料を得る目的で(1)発達障害者ペアレント・メンター養成事業の資料収集、(2)吃音の基礎知識及びリソースブック作成のための資料整理、(3)セルフヘルプグループにおける吃音のある中高生・成人に対する支援の現状と課題についてのWeb及び実地調査実施に向けての準備を行った。 (1)では、発達障害者ペアレントメンター事業を企画・運営している発達障害者支援センターに、プログラムや実施上の留意点等について聞き取り調査を行った。 (2)では、吃音のある人のセルフヘルプグループが発行・公開している冊子やウェブサイト、当事者や一般向けに刊行された書籍などを収集し、吃音の基礎知識の講義やリソースブック作りの実習で利用可能な資料の抽出・整理を行った。 (3)では、吃音のある人のセルフヘルプグループで既に実施されている吃音のある中高生・青年に対する支援の現状と課題について、(a)セルフヘルプグループ参加者へのWebアンケート調査の実施準備、(b)セルフヘルプ活動に参加しての現地調査の実施準備を行った。 次年度は、(3)にあげたセルフヘルプグループにおける吃音のある中高生・青年に対する支援の現状と課題についてのWeb及び実地調査を行うとともに、メンター養成プログラム試作版を完成させ、2~3月にメンター養成講座の試行を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では、本年度は、吃音のある人のセルフヘルプグループなどで既に実施されている中高生・青年に対する支援の現状と課題についての実地調査を始める予定であったが、実際には、その実施準備までしか行えなかった。これは、(1)研究当初は予定していなかった発達障害者ペアレントメンター事業のプログラムや実施上の留意点などについての聞き取り調査が、本年度後期に行えるようになり、この調査の結果を研究に反映させるために、全体の進捗が遅くなった、(2)セルフヘルプグループ参加者へのアンケート調査をWebを用いて行うこととしたため、そのシステム構築に時間を要した、(3)セルフヘルプグループにおける吃音のある中高生・成人に対する支援の現状と課題についてのWeb及び実地調査実施実施に必要な研究倫理審査準備に時間を要したことによる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、本年度研究進捗が遅くなった要因である、Webアンケートシステムが本年度末に運用可能となったことから、研究倫理審査申請を早急に行い、次年度前半には、セルフヘルプグループにおける吃音のある中高生・成人に対する支援の現状と課題についてのWeb及び実地調査を完了させる予定である。また、次年度後半には、本年度実施した発達障害者ペアレント・メンター養成事業の資料収集及び、吃音の基礎知識及びリソースブック作成のための資料整理に基づき、メンター養成プログラムを完成させ、2~3月にメンター養成講座の試行を行えるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度、当初予定していた吃音のある人のセルフヘルプグループにおけるWeb及び実地調査が実施できなかったため、そのために計上していたアンケート謝礼及び実地調査交通費が未使用となった。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度前半に吃音のある人のセルフヘルプグループにおけるWeb及び実地調査を実施し、当初予定の通りアンケート謝礼及び実地調査交通費として使用する予定である。
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