研究課題/領域番号 |
15K13249
|
研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
片桐 正敏 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00549503)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 書字能力 / スクリーニング検査 / 視覚認知 |
研究実績の概要 |
本研究は、書字流暢性課題 (書字の書き取りスピード)、文字認識課題 (ひらがな、カタカナ、漢字の誤り)、音韻認識課題 (特殊音節の聞き取り、音韻操作)、視覚認知課題 (視覚認知、視空間認知、手指の協応,器用さ) の4領域で構成される書字スクリーニング検査の開発を目的としたが、研究代表者が年度途中で北海道へと異動となり、研究協力者の先生および、A市教育委員会の指導主事とも協議の上、スクリーニング課題の内容を精査し、多少簡略化を行った。先ずはひらがなと漢字の文字認識課題を実施した。加えて、図形を書かせる視覚認知課題を作成した。これらの課題は教示も含めて20分位内に収まるよう調整した。 今年度は、愛知県のA市に協力をいただき、小学校1年生および小学校2年生(計約1800人)に対して、上記の課題を盛り込んだ書字スクリーニング検査用紙を配布し、実施した。同時に、流暢性を評価するために、国立特別支援教育総合研究所の海津亜希子先生にご協力をいただき、MIM課題も実施した。こちらは読み課題になるが、特殊音節の誤りなども評価可能であり、スクリーニング検査に必要な手軽さと集団実施が可能であることから、海津先生にご許可をいただきデータを収集した。なお、MIM課題は第三回目のものを使用した(絵に合うことばさがし、3つのことばさがし、を使用)。 これらの採点およびデータ入力を年度内に終了し、現在分析をしているところである。分析結果を元に課題の問題点を検討しているが、現在のところこれまでの予備データにもとづいて課題設定を行ったので、現時点で課題の難易度、および変更は考えていない。ただ、実施上の手続きについて学校現場の先生よりご指摘を頂いたので、手続きについて見直す予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の進捗については、概ね順調ではあるが、研究代表者が年度途中で北海道へと異動となったため、当初の予定の課題作成が難しくなった。そこで、研究協力者の先生および、A市教育委委員会の指導主事とも協議の上、スクリーニング課題の内容を精査し、多少簡略化を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
研究代表者が年度途中で北海道へと異動となった関係で、これまで前職で可能であったことができない可能性が生じてきた。ネット上でのスクリーニング検査の公開を考えていたが、ホームページを自主作成する必要が生じており、そのための予算が計上されていないため、現在スクリーニング検査の公開方法について検討をしている。具体的には公刊されている雑誌に掲載することを考えている。 なお、スクリーニング検査の内容は、MIM課題を入れて分析することになったが、書き課題単独でもスクリーニング検査として機能するよう検討する予定である。データの収集自体は昨年度同様の手続き今年度も実施できる予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者が年度途中で異動したことにより、想定していた物品の購入を取りやめたり、また必要な物が生じてきたり、本来異動しなければ不要であった研究打ち合わせの旅費などを執行したため、計画的な予算執行が難しかった。
|
次年度使用額の使用計画 |
今年度と次年度は、申請額より交付額が減額されていることから、研究打ち合わせや学会発表のための旅費、さらに当初予定していなかったが、人件費を執行する予定である。
|